指先から君へ。《D.S》

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しげとやってきたのはコンビニ



中に入ると私の後ろをついてくる




ドリンクのケースの前で立ち止まった





「あ、それうまいよな。俺めっちゃ好き」





手に取ったのはしげがいつも飲んでいるもの





それだけをレジに持っていき、お会計を済ませた





外に出るとしげも後に続いて出てきた





『はい、あげる』

「なんで、それしか買ってないやん」

『付き合ってくれたお礼。笑』

「寄るとこ、え、これ？！」




特に寄るとこなんてなかったし、他に思い浮かばなかった





「ちょっと待ってて」



そう言うとまた中に入っていってしまった





数分ほどで外に出てきた





「はい、あったかいで？」

『え、でも…』

「うつさしてくれたお礼」




いつだかしげがくれたジュースのお礼だと思ってたのにな




『…ありがとう』




くれたのはホットココア


それに触れれば一瞬で芯まで温まる感じがした




『私もあったかいの買ってくればよかったね、ごめんね』

「俺がこれ好きなん知ってて買ってくれたんやろ？これうまいよなー！」




そう言ってくれているけど、そのペットボトルを持つ手がかすかに震えているのがわかる




『ん、』



「なに？」




手のひらを差し出し、手を出すよう促した

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