よくある裏切り小説こじらせてみた

五話 ページ7

もうウンザリだった。

嫌な予感ほど的中するものだ。

寺春さんがマネージャーとして入部してから2日。

このたった2日の間にも私は疲れ切っていた。


まず、部員と話しすぎだ。

コミュニケーションはすごく大切。それを理解した上で見てもあれは度が過ぎている。

昨日なんて練習試合の貴重なタイムの時に自分の話を持ちかけて来た。

私としては、というか選手達も感じているだろう。

''今作戦話してんだろ…！！邪魔だ…！！''と

これは悪意があるのか？なんて考えていたら帰り際ついに

「柏崎さん…試合中のメンタルケアしてあげるのもマネージャーの仕事ですよねっ！？」

なんて言われた。

アレがメンタルケアって…ここキャバクラじゃないですよ…？？

しかも試合は良い感じで進められていた。メンタルケアなんかいらない。いや、もう余計なお世話だ。

頭に「？？？？？？」しか無かった。

この現場はなんとか道川が収めてくれたが。


そして最悪な点。

仕事をやらない。

とにかくやらない。

でも選手にタオルを届けたりドリンクを届けるおもて仕事だけはやりたがる。

小説の中だけだと思っていた。

こんな本物の悪女がいるのが。

部員達はこれを知っているのか。

知っていると信じたい。


「あぁ…行かなきゃな…」


寺春さんが来てから、部活へ行くのも憂鬱になってしまっていた。

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