十五話 ページ18
Aside
「今度こそやってやるよ…本番の復讐をな」
そう言うと寺春は、適当にボトルを一つ取り、水を汲み出した。
キュッと蛇口を閉める音が響く。
「ははっあれがダメなら単純な方やるしかないだろ…!」
その瞬間
寺春が自らに水をかけ
「キャァッッ!!!」
と高い声で叫び
ボトルを私の足元に投げた。
情報処理が遅れた。
何が起こった?何が目的で何をどういう考えで何を…
「どうしたんだよ!?……は?」
道川の声が後ろから聞こえる。
あれ、なんだこれ?
「柏崎さん…ひどいっ…!」
目の前に、震えながら潤んだ瞳で私を見つめる寺春がいた。
その瞬間、全て理解した。
反射的に足元のボトルを蹴る。
「違う!!!寺春が勝手にっ…!!私違うから!!!ねぇ信じて!!!!!」
「…柏崎、一回落ち着け。…寺春、とりあえず着替えて来い。そのあと聞かせてもらう。」
「うん…」
「道川っ道川!!私やってなっ」
「A。」
いつものおちゃらけた道川からは考えられない。
深く、静かな。でも心に響く声で名前を呼ばれた。
頭がズキズキする。そして重く感じる。
「……わかった」
涙が溢れ出そうだった。
でも私は我慢した。堪えた。
ここで泣いてしまったら、全て投げ出して逃げてしまうような気がしたから。
26人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちサブ - お願いだ…夢主ちゃんをしあわせにしてくれえええええ)))))) (2022年5月17日 22時) (レス) @page35 id: 56e816f997 (このIDを非表示/違反報告)
三月 - わ〜!!面白かったです! (2022年5月17日 17時) (レス) @page35 id: 2f9ff98037 (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - コメントしようか迷ったのですが…なんというか、不自然な終わり方でしたね。急に薄っぺらくなったような、人間らしい奥行きが無くなったような…他の小説は誰が言うでもなく自分が納得できるまで書いてみては? (2022年4月1日 14時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 613honokoさん» コメントありがとうございます!やっぱり悪女側も内面を知ると好きになったりしますよね〜!更新頑張ります! (2022年3月26日 11時) (レス) id: 0c5a82d5af (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - 寺春好きだわ、頭いい。幸福を掴むのは相応の孤独と地獄を見てきたものって相場は決まってんのさ、ハハハ。続き楽しみにしてます (2022年3月24日 18時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レタス様 | 作成日時:2022年1月29日 9時