十八話 ページ22
莉子side
「なんでもないからっ!!!お節介なんだよ!!!!」
Aに言われたその瞬間、私の頭は黒く染められた。
[頭が真っ白になった]なんて可愛いもんじゃない。
あれ?私Aのために気遣って様子伺っては相談に乗ってたんだけど…うるさかったかな?
あれ?私Aの部活のことよく理解してるつもりだったけど…できてなかったかな?
あれ?私Aの親友のつもりで、何でも言い合える関係だと思ってたんだけど…違かったかな?
あれ?私…私…
「あ、あ、あぁぁ…」
掠れた声がしたので前を見ると、Aが口をパクパクさせながら何か言葉を発そうとしているのがわかった。
この様子を見ると、きっと勢いで言ってしまったんだろう。
いや、こんな事を考えてる時点でお節介なのか?
「…あ……ごめん、…お節介だったね。今までも…ホント、ごめん」
私は声を振り絞って言った。
「あ、ちが、あ…」
『ちが』って…『違う』って言いたいんだよね…
私、わかるよ?
でもね、人間の頭のつくりってめんどくさいみたいでさ。
「お節介なんだよ!!!!」
その言葉がこびりついて離れないんだ。
ごめんね。
私も、Aに寄り添っていたかった。
Aを、支えてあげられたらいいなって思ってた。
でも、無理みたい。
「……そういう文句はさ…早く言ってよね」
私はAに背を向けて走り出した。
後ろから私を呼ぶ声が聞こえる。
ごめんね、ほんと。ごめん。
もう立ち止まれないや。
「おかえりー」
「…ただいま」
30分後、家に着いた。
もう涙も乾いた。
自分の部屋に入り、スマホを開くと
「A 新着メッセージ(10分前)
ごめんね。 」
Aからのメッセージが来ていた。
ただ一言、ごめんね。と。
「…遅えよバカ……」
前までなら涙を流して「私もごめんね。」なんて返信してただろうか。
しかし、私の目から涙が流れることはなかった。
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もちサブ - お願いだ…夢主ちゃんをしあわせにしてくれえええええ)))))) (2022年5月17日 22時) (レス) @page35 id: 56e816f997 (このIDを非表示/違反報告)
三月 - わ〜!!面白かったです! (2022年5月17日 17時) (レス) @page35 id: 2f9ff98037 (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - コメントしようか迷ったのですが…なんというか、不自然な終わり方でしたね。急に薄っぺらくなったような、人間らしい奥行きが無くなったような…他の小説は誰が言うでもなく自分が納得できるまで書いてみては? (2022年4月1日 14時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 613honokoさん» コメントありがとうございます!やっぱり悪女側も内面を知ると好きになったりしますよね〜!更新頑張ります! (2022年3月26日 11時) (レス) id: 0c5a82d5af (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - 寺春好きだわ、頭いい。幸福を掴むのは相応の孤独と地獄を見てきたものって相場は決まってんのさ、ハハハ。続き楽しみにしてます (2022年3月24日 18時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レタス様 | 作成日時:2022年1月29日 9時