VS 死柄木弔5 ページ26
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ゲーム終盤頃、黒霧さんが帰ってきた。
「まだやっていたのですか」と感心しながら、チェスボードと同じ高さにドサリと袋を幾つか置く。
…何かを買いに行っていたのだろうか。と視線を投げた時、一つの袋からゴロリと中身が転がった。
は？
私はそれを凝視したまま固まった。
「珍しいですね、まだ飽きていなかったとは。なら要りませんでしたか」
「バカ言え。後で使う」
死柄木さんは足元に転がってきたソレを拾い上げ、平然とした顔で袋に戻した。
人のことオモチャとかなんとか言ってたが──
これは本当にオモチャだった。
そう大人の。
後で使うって？誰に？何する為？ふえっ？
流暢に駒なんか動かしている場合じゃねえ。
「……あー私そろそろ帰っていいですか。いいですよね」
「は？ダメに決まってる。
遊び相手になるって言ったよね。約束は守らなきゃだろ？」
遊び相手つか、私で遊ぶ気なんだろ！？？
騙された！！いやこれは死柄木理論！！
「そ、それは時々でしょう？もうチェスしたじゃないですか」
「時々がまとめて来る事もあるだろ？」
死柄木理論かよくそおおお！！
ムリムリ！それは許容できない本末転倒だ。オモチャにされてたまっか！！
盤上にチラリと目をやる。戦況は此方が優勢。このままなら勝てる。いや絶対勝たなきゃマズイんだ。
絶対、勝って此処から脱出せねば。
あれ？なんか焦りで頭が思ったように回らな……
「それ悪手」
「はっ！しま…！」
口をがっぱり開けた時、「チェックメイトだ」と嬉しそうな声が降ってきてしまった。
死柄木さんは駒から手を離すと、私の腰に回してぎゅっと寄せる。あはは逃がさないってか？
私は頭は良かったが、悲しいことに精神力がミジンコ以下だったのだ。
ちなみに精神状態も既に木っ端ミジンコである。
「クク…プレッシャー感じて自滅するなんてラッキーだなァ」
「ええ死柄木弔、これが個性の力でしょう」
えっ？？
なんつった。
今、なんつった。
仕組みは分からないが、つまりは…
「わ、私の個性……死柄木さんが持ってるんで、す…か？」
「うん。
身体に影響しないから脳無みたいになる事もないし、ホント良い個性貰っ──
は？？」
「どひゃうっ！！？」
「死柄木弔！！」
ガタタッと大きな音が立った。
背中に冷ややかな床の感触。
上に──死柄木さん。
これぞこの個性の本領発揮というやつだ。
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名無し89403号(プロフ) - とても面白い作品でした!お時間があればで良いのでこれからも更新頑張ってください！あとラッキースケベガールの18禁作品がありますよね、そちらの方も読みたいのですがパスワードが必要なようでして…厚かましいのですがパスワードをお教えてもらってもよろしですか？ (2020年5月29日 0時) (
レス) id: 6af0665e5c (このIDを非表示/違反報告)
セイラ(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです！大変だとは思いますが、これからも頑張ってください！！あと、番外編？の方も読みたいのでパス教えてもらえたら嬉しいです。応援しています！！ (2020年4月21日 19時) (レス) id: 5ca5505410 (このIDを非表示/違反報告)
やえ(プロフ) - めっちゃ面白いです！！ 推しがたくさん出てきて、嬉しいです。 めっちゃ笑ってお腹いたいですwww こんなに良い作品、ありがとうございます！！！ (2019年10月2日 17時) (レス) id: 983d46899e (このIDを非表示/違反報告)
れいん(プロフ) - すみません…更新進めるようなコメントしてしまったので削除しました…ほんとすみません！よく見てなくて… (2018年8月25日 1時) (レス) id: 85d9027f98 (このIDを非表示/違反報告)
アリア(プロフ) - もう面白過ぎて夜中に1人で爆笑してましたwめっちゃ面白いです！夢主ちゃん最高！ (2017年9月19日 5時) (レス) id: e5a9b92e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：古梨
| 作成日時：2016年8月11日 16時
