3 ページ3
「正解は、１ヶ月後！！」
「絶対俺の答えだわ、間違いない」と須貝。
「いやいや僕でしょ」と山本。
「伊沢さんだけはない」と川上。
動画の企画で、
１ヶ月後に正解が発表されるものをやった。
企画者は、川上。
残酷なことをするよなあ、君も。
「いや、奇跡はある」と伊沢が言うなり、
メンバー全員がナイナイと批判。
相変わらずふざけた解答をした伊沢は、
答えを知らないままいなくなってしまう。
川上より残酷なのは、運命なんだよなあ。
とつくづく思う。
まだ早すぎる天才クイズ王のﾀﾋ。
どれだけ世間を騒がせるだろう。
僕はまだ彼のﾀﾋ因を知らないが、
もう少しで判明するだろう。
「伊沢さーん、漢字しりとりしません？」
動画撮影の休憩時間に、
ソファでスマホを触っていた伊沢の元へ、
山本が歩いてくる。
彼は今日も漢字のことを考えているようだ。
「えー、いいけど」
「やっさしい！さ、やりましょ！」
二人は二字熟語の漢字しりとりを始めた。
ホワイトボードに書き、書き。
「やっぱり伊沢さん、強いなあ、思いつかなくなってきた...」と山本が呟く。
「俺の知らない漢字使いすぎ」と笑う伊沢。
「あ、それはすみません。アウトプットを...。ふふふ。あ、思いついた！」
数分考えていた山本は、
再びホワイトボードに書く。
そんな山本を穏やかな表情で眺めていた伊沢は、
ふと心臓に違和感を感じた。
圧迫されるような、突くような、痛み。
「伊沢さん？大丈夫ですか？」
思わず顔を顰めていたのか、山本に心配される。
「あ、ごめん、大丈夫。次、俺のターンだよね」
二人のやりとりを遠くから見ていた河村は
伊沢のﾀﾋ因について検討をつけ始めていた。
そろそろ、準備を始めよう。
雪の降る日。場所は人通りのないところ。
山奥のペンションの前なんかどうだろう。
「あ、河村さん、またぼーっとしてる」
撮影部屋に入ってきた福良は、
ぼーっと何かを考え込んでいる河村を発見。
ここ最近、そのような表情をよく見る。
何か悩んでいるのだろうか。それとも。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yoyo | 作成日時：2020年1月19日 13時
