深夜の温もり／ini ページ6
ini side
真冬の深夜1時。
一般的にはあまり電話はしない時間帯。
なのに俺に電話がかかって来たのはあいつの身になんかあったか、
なんか辛いことがあったか。
電話に出ると泣いている声が聞こえたから、今日は後者かなって。
「どうしたの？」って聞いたら、もっと泣いちゃったから
正直どうしたらいいか悩むけど。
「俺の家、来る？」って聞いたら
「・・・・・・うん」って言ってくれたから
「そっか。待ってるよ。」とだけ言い電話を切った。
あいつの家と俺の家は割と近いから、15分くらいで来るはず。
案の定、15分ほどで来て家に入れるとポロポロと涙を流すA。
「どうしたの？なんかあった？」
「・・・・・・彼が別れよって。あんなに『僕には君しかいないから』的なことを言ってたくせに
好きな女ができたんだって。それで、置き手紙だけでっ」
・・・・・・おい、彼氏さん。彼女がいるのに好きな人が出来るっていうのはまだわからなくもないよ？
ドラマとかでもあるし、100万歩くらい譲って理解できなくもないよ？
でも、それを置き手紙だけで済ますって、男として・・・・・・いや、人間としてどうなんだい？
「私、もう人信じられないよ・・・・・・」
そりゃ、そうなるよね・・・・・・。でも、この話をしてくれてるってことは、俺のことは
信じてくれてるってことでいいよね？じゃないと、こんな話、しないよね？
「ねえ、俺じゃダメかな？俺はAのこと捨てないよ。その人と同じことは
神に誓ってしないから。誰よりもAのこと愛するって約束する。」
なんか河村さんがでて来たけど。俺は河村さんに誓ってもいい。
「っ私も、乾くんのこと好き！乾くん、よろしく！」
って言う君の顔は笑ってて。ああ、これが、正解だったんだって。俺で良かったんだって。
深夜2時。外は凄く寒かったけど心は凄く温かかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゃーく。 | 作成日時：2022年6月18日 16時
