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ふくら「...A、さん」
絞り出すように声を出した。
胸の奥がちり、と痛む。
いつもおいしいところを持っていくのは伊沢さん達だ。
Aさんの世界では、俺は背景に過ぎなかった。
でも。それでも...
あと一歩の距離で立ち止まっているAさんがきょとんとした顔になる。
す、と腕を出してAさんを抱きしめた。
こんな遊びに本気になるなんて馬鹿げてると思うけど、折角のチャンスだから。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
-you side-
...ぎゅ
名前を呼ばれた瞬間、強い力で抱きしめられた。
『ふくら、さん？』
ドク、ドクと鼓動が脈打っている。
途端に、先程までの違和感の正体が分かってしまった気がした。
甘くなってる。
確実に。
これは...
ここにいちゃいけない、と私の脳が必死に訴えている。
でも力強い腕からは逃げることが出来なかった。
もう、遅い。
...
徐々に、元々力強かった腕にますます力が入ってきているのがわかる。
『...っくる、し、』
ふくら「！」
我に返ったのか、ふくらさんが咄嗟に手を離した。
須貝「ふくらさんまでおかしくなった...」
山本「そういう貴方も大分おかしいですけど」
ふくら「...ごめん」
しゅん、と俯いたふくらさんはまるで子犬の様で、さっきとは全然違う。
心臓からきゅん、という音が本当に聞こえた気がした。
...これが、ギャップ萌えっていうやつなのかな？
『私臭くありませんでした？』
ふくら「甘かった」
河村「なんかやりとり聞いてると殺気立ってくる」
伊沢「いや、命令したの河村さんだから...」
河村「次から命令された人別の部屋でやりましょう(ガン無視)」
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
作者から。
なんでやらせたくないこと命令するんだ！と思った方。この小説の都合です。←
次回から本格的に甘め増やしていこうかな、と思います。今回は嘘じゃないです笑
見てくださってる方、本当にありがとうございます！
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よもぎもち
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2020年6月26日 17時
