餓死寸前、お腹すいたぜ -fkr- ページ15
『こんにーちはー!』
いつも通り声を張り上げながら、居間へと入っていけば……誰もおらず、不思議に思い、河村と書かれた札が立てかけてある所を見つけたので、軽くノックをしてみた。
しーんと、効果音が漫画ならつきそうな空間。
ボッチ感が募っていく中、部屋の中からは何やらプロデューサー組の声が聞こえる。
扉に耳を押し当て、中の話を盗み聞くことにした。
「じゃあ、明日これでやってみるよ。
……どう?河村も来れる?」
「ん〜、ちょっと待ってくださいね。手帳手帳っと。
……あー、ごめん、福良!……僕明日は無理だ!」
「えー、河村いないのー!?予定って……あー!それか!!じゃあ仕方ないね」
「演者はこっちで揃えておくから、……頼んだ」
「わかったよー。……そういえば、さっきノック音しなかった??」
「そういえば、したかも……」
こちらに近づいてくるような気配がしたので、慌てて体勢を立て直し、ドアの前に君臨。
いつ来ても怪しまれないように、身なりを整えた。
「誰かいるー?……ってあ、Aちゃんじゃん」
「え!?Aちゃんいんの!?
Aちゃん、今の話聞いた!?っていうか、いつからいたの!!?」
私が答える暇すら与えずに、マシンガントークをかますママこと福良さん。
「こらこら、福良ママ、Aちゃんが困ってるから……」
「ママじゃないって……!」
『企画の内容はまったく聞いてないよ?』
「ほんとに??」
『ほんとだってば……!』
「その辺にしてやりなさい。それじゃあ僕はこの後、用事があるから」
河村さんに抑えられた福良さんはふぐのように頬を膨らまして拗ねている。……ん?拗ねている??……なんだか、不機嫌そうだ。
対する、河村さんはさっさと荷物を纏めてお先に―、とオフィスを去っていった。
『福良さん……?』
「まあ、いいや。Aちゃんも今回は企画側ね」
そういうや否や、再び部屋に逆戻り。
『それで、何の企画……?』
「うーん、河村が持ってきた企画だから俺もあんまりよくはわからないんだけど……」
テストプレイしてもいい?と珍しく彼の方から持ち掛けてきてくれたので、もちろん即座にOKを出す。
すると、彼は普段の動画からは想像できないくらい嬉しそうに飛び跳ねた。ウサギの耳が幻覚でも見えてしまうぐらいには喜んでいることがわかった。
(テストプレイ中に、さらにお腹すきそう……)
からりと飴を舌の上で転がしながら腹の裡でぼやいた。
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唯華c - 了解しました!これからも応援しています!頑張ってください!! (2019年9月30日 1時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
瑞西(シャラルー☆)(プロフ) - 唯華cさん» いつも読んでくださってありがとうございます。リクは募集は一応しているのですが、少し複雑なので、公に募集をかける際には、本編の方で公募いたしますので、それまでお待ちください。 (2019年9月29日 11時) (レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
唯華c - すごく面白いです!(上から目線ですみません!)更新がすごく楽しみです♪ちなみに、リク募などはしてませんか?もし、していたら教えて頂きたいです!これからも応援してます!(最後まで上から目線ですみません(・_・;) (2019年9月29日 0時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
瑞西(シャラルー☆)(プロフ) - みなも。さん» 了解致しました。それでは、宜しくお願い致します。 (2019年8月27日 16時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
みなも。(プロフ) - では私の方で削除させて頂きますね〜。マイナスなコメントは無いに越したことはないので(*^^*) (2019年8月27日 15時) (レス) id: d94cfd6036 (このIDを非表示/違反報告)
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