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(福良side)


テレビ局の廊下で神原くんを見かけて声をかけた


神原「お疲れ様です」

福良「収録?」

神原「はい、福良さんは?」

福良「クイズ番組の打ち合わせ」

神原「問題提供ですか?」

福良「うん」



神原くんがいるってことはAちゃんもいるのかな…



神原「Aならいませんけど」

福良「ぇ、あ…そうなんだ」



え、俺ってそんな分かりやすいのかな…



神原「もう仕事終わりですか?」

福良「え、うん」

神原「ご飯行きません?」

福良「いいけど…」

神原「じゃあ準備してきます」



神原くんと2人で居酒屋に行った



神原「Aのこと好きなんですか?」



急にそう言われて思いっきり咽せた



福良「なっ…」

神原「意外と分かりやすいですね」



ふっと笑って言う神原くんをまっすぐ見た



福良「神原くんはAちゃんのこと好きだよね?」

神原「好きですよ?」


あっさり言うんだな…



福良「それは、恋愛対象として?」

神原「…そうだと言ったら?」



否定…しないんだ…
ずっと一緒にいるから、もちろんAちゃんのことを俺より知ってる…



神原「俺、中1の時Aのこと振ってるんですよ」

福良「ぇ…」

神原「だから今さら好きなんて言えないですよ」

福良「…それは違うんじゃない?」

神原「…」

福良「その時は振ったかもしれないけど、それからAちゃんのことをもっと知って好きになったんでしょ?だったらそう伝えたらいいんじゃない?今さらとか関係ないと思うよ?」

神原「敵を応援していいんですか?」

福良「それは…良くないけど」

神原「あいつは吹っ切るために俺に告白してきたんです。実際、今こうやって一緒にやってるわけだし
俺はそんな強くないから、振られてからも一緒にやっていく自信はないです」



『あいつの代わりなんか…』とボソッと聞こえた



福良「あいつって…?」

神原「っ…」



神原くんはハッとして口を押さえた



神原「声に出してしまったことは謝ります、でも俺が言うべきことじゃないので」

福良「…」

神原「福良さん」

福良「ん?」

神原「Aに告白しても振られると思います」

福良「はっきり言うね…」

神原「でも、諦めないでください」

福良「…敵を応援していいの?」

神原「幸せになって欲しいんです」

福良「…」




過去に…何かあったんだ…
神原くんで無理なのに俺に出来るだろうか…

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作者名:明希 | 作成日時:2020年5月31日 14時

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