【QK】I need…-2-【kwmr】

epi.90 駆け引き ページ42

Your side



『何か、家来るの久しぶりやわ。』

｢まぁAも忙しそうだったし、誰かさんが独占してたからね。｣



そうわざと嫌味っぽく言う彼に苦笑いする。

実に1ヶ月振りのたぁ兄の家。

この間、彼が我が家に来る事も無かったので、マジで本当に久し振りの宅飲みである。

一時期は3日に1回位のペースで飲んでいた事を考えると、本当に期間が空いたものだ。



『キッチン借りるよー。』

｢どうぞご自由に。｣



特に変わった様子のないキッチンに安心しつつ、久々に2人分の夕食を作る。

…うん、こんなもんかな。



『はい、お待たせ。』



乾杯、と缶をぶつけ、料理に手をつける。

おかずはこの前伊沢さんと飲みに行った店でおいしかったやつ の模倣品だ。



｢ん、これ初めて食べるけど良いね。｣

『やっぱたぁ兄も好き？こないだ行った店で食べてさ。』



美味しかったから作ってみた、と言えば、



｢伊沢と行った店？｣



と聞かれる。



『そうそう、テレビ局の近くにあって。』



そういえばたあ兄とはあんまり外食しないなぁ、なんて思いながら箸をのばした時。



｢最近やたらと絡まれてるけど、そんなに何話してるの？｣


あぁ、まぁ聞かれますよね。

でも、河村さんの事好きでしょって問い詰められてる、なんて事は口が裂けても言えない。



『うーん、まぁ、色々と？』



頼む、深堀りしないでくれ。

なんて祈りが届くはずもなく。



｢色々って何よ。｣



とあっさりつっこまれてしまう。



｢山本も聞いたらはぐらかされたって言ってたけど。｣

『え、そんなに話題なの？』

｢話題って程じゃないけど、あれだけオフィスで追いかけっこされたらまぁ、みんな気になってるだろうね。｣



うわぁマジか。完全に伊沢さんのせいじゃん。

さっきから淡々と箸をすすめているたぁ兄だが、答えろよ、というオーラをものすごく感じる。

さて、どうしたものか。

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