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Your side
「あ、ちなみに撮影日だけど今度の水曜ね。」
『え、早いですね!?』
「ごめんごめん、今入ってるスケジュールは誰かがちゃんと調整してくれるから。」
おい、ちょっと先とは何だったのだろうか。
伊沢さんのスケジュール感覚舐めてたぜ。
あぁ、スケジュール調整というまあまあ面倒な仕事がここに居ない誰かに追加されてしまった。
うーん、お疲れ様です。
『分かりました…。』
「じゃ、よろしく!」
それだけ言うと、伊沢さんは自分のデスクへと戻って行った。
いやぁそれにしても、色々展開が早すぎませんかねぇ。
たぁ兄には仕事の話だからわざわざ報告しなくたって耳に入るだろうけど、後でLINE入れとくか。
どうなることやら、なんて思いながらパソコンを立ち上げる。
初めの頃は割とキーボードをガン見しないと中々タイピング出来なかったが、最近はそこまで一生懸命見なくてもなんとかなる様になってきた。
カタカタとキーボードを叩いているうちに、ふと気付く。
あれ、私ピアノ弾けなくなったのに、音楽の仕事する事になってない?
いや、厳密には音楽の仕事じゃないかもしれんけどさ。
でもそうか。
QuizKnockなら、クイズや学びという観点さえ押さえていれば、そしてチャンスさえあれば、形は違えどこうやって音楽に関わる事ができるのか。
これってもしかして凄く幸せな事なんじゃないかな。
演奏するだけが全てじゃないもんね。
そんな事を考えていると、なんだか少しワクワクしてきた。
『よし、頑張るか!』
小さく呟いて、私は再びキーボードを叩き始めた。
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きゃる(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても嬉しいです! (2021年12月12日 21時) (レス) id: 90b0f7c65f (このIDを非表示/違反報告)
さく - あ、好き.... 私基本的にkwmrさんの小説読まないんですけどこれは素晴らしいと思いました。更新頑張ってください! (2021年12月12日 15時) (レス) @page50 id: dc6ef9e765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃる | 作成日時:2021年10月4日 20時