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乾side
僕にはちょっとした自慢がある。
一つは、Aとお互いタメ口で話せる事だ。
理由は、僕達の絶妙な関係にある。
年齢はAの方が1つ上だけど、学年だとタメ。
QuizKnockに居るのは僕の方が長いけど、動画に出始めたのAの方が先。
いろんな事が上手く噛み合って、いつの間にかお互い敬語だったのが外れていたという訳だ。
Aがオフィスでタメ口を使うのは河村さんか僕しかいない為、彼女と同い年である山上さんがちょっと悔しそうにしているのを、内心ニヤニヤしながらいつも過ごしている。
『乾って何気に私と一緒に動画出るの初じゃない？』
｢え、そうだっけ。｣
オフィスで結構話すから全然そんな気しないね、なんて笑いながら問題の準備をするAの手元になんとなく視線を落とせば、ある一点に目が止まる。
｢あれ、Aって指輪とかするタイプだったっけ。｣
彼女の右手に光るのはピンキーリング。
中央に埋め込まれている水色はアクアマリンだろうか。
『あぁ、これ？』
パッと作業を止め、右手をヒラリとこちらに向ける彼女。
｢そうそう。自分で買ったの？｣
『いや、貰い物。誕生日兼入社祝いとか言って。』
そう言って小さく微笑みながらそれを見つめる彼女に、色々と察する。
｢なるほどね。｣
河村さんがAの事を好きらしいということは、もうなんとなくオフィス内では周知の事実というか、一種の暗黙の了解になっている。
まぁ、あまりに河村さんのステルス性が高すぎて、あまり信じていない人も一定数いる様だが。
でも、僕としてはAこそ相当彼の事が好きだと思うのだ。
今だってそうだが、河村さん絡みの話題になった時に、明らかに彼女から発されるオーラが変わる。
ただ周りの様子を見る限り、それに気付いているのはどうやら僕だけの様で。
これもまた、僕のちょっとした自慢だ。
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きゃる(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても嬉しいです！ (2021年12月12日 21時) (
レス) id: 90b0f7c65f (このIDを非表示/違反報告)
さく - あ、好き.... 私基本的にkwmrさんの小説読まないんですけどこれは素晴らしいと思いました。更新頑張ってください! (2021年12月12日 15時) (レス) @page50 id: dc6ef9e765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃる | 作成日時：2021年10月4日 20時
