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伊沢side
「いやぁ、それにしてもすごいロマンチックな話ですよね。」
だいぶ興奮した様子で言う山上に、確かにな、と思う。
だって生まれてから20年ずっとそばに居た幼馴染の事を好きになるって。
しかも彼の場合、今まで恋愛対象ですら無かった訳だし。
でも、俺としては結構これは喜ばしい話だ。
QuizKnockの活動を始めて数年、彼には初期の頃から本当によく支えてきてもらったし、沢山ワガママにも付き合わせてきた。
それでもここまでついてきてくれて、こうして会社としてQuizKnockがやっていける様になった今、仲間として、そして大切な友人として、そろそろ彼にも彼自身の幸せを掴んで欲しいと思うのだ。
「でも不思議ですね。伊沢さんは河村さんがAちゃんの事好きだって気付いたのに、Aちゃんは全然分かってなさそうでしたよ。」
まぁ僕も気付いてなかったですけどね、なんて言う山本に、
「自分への好意には案外鈍感なんじゃない?」
と答えれば、
「でもAちゃんが気付いた河村さんの変化は僕らじゃ分からない事でしたからね。」
その辺は流石幼馴染って話なんじゃないですか?と山上も返してきた。
一方の河村さんはと言うと、
「そういうもんかねぇ。」
なんて他人事の様に一つ返事をすると、いつも通りパソコンを開いて仕事の確認をし始めている。
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きゃる(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても嬉しいです! (2021年12月12日 21時) (レス) id: 90b0f7c65f (このIDを非表示/違反報告)
さく - あ、好き.... 私基本的にkwmrさんの小説読まないんですけどこれは素晴らしいと思いました。更新頑張ってください! (2021年12月12日 15時) (レス) @page50 id: dc6ef9e765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃる | 作成日時:2021年10月4日 20時