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Your side



「いやぁ、自炊派なのは知ってたけどまさか手料理が食べられる日が来るとは。」



そう言ったのは福良さん。

相変わらず大きい野菜は避けてるっぽいけど、こっそり色々入れていたものはちゃんと食べてくれているようだ。



「このルックスで、ピアノ弾けて、博識で、性格も良くて、料理上手って確実にモテるよね。」



と、鶴崎さんが言って下さるが、



『残念な事にお非〜リアなんですよねぇ。』



そう返せば小さく笑いが起こる。

彼氏がいたことがない、という訳ではないのだが、まぁ私に声を掛けてくるような人は大抵伴奏者難民の男達ばかりだ。

そんな話をすれば、



「あー、なるほどね。…それ認識が逆なんじゃないかと思うけど。」



なんてこうちゃんが言うので、



『買い被りすぎですよ。所詮音大生なんてそんなもんですって。』



私も伴奏は好きなんでやってましたけど、最近はここがあるから断ってるなぁ、と言えば、



「なんか、流石だわ。」



と、遠い目をされてしまう。

分かってないなぁ。



「じゃーAは恋人作る予定はないんだ?」



そう会話に入ってきたのは彩加さん。

最初は山森さんとお呼びしていたが、女の子同士仲良くしよー!と言って頂いたことがきっかけで、下の名前で呼ばせてもらうようになった。

今ではオフィスで会えた時には一緒にコンビニスイーツを食べる仲だ。



『んー、そうですね。まぁこうやってQuizKnockに入った事で一段と充実しましたし、あと河村さんの面倒も見なきゃいけないですし。』

「どっちがよ。」



あ、聞いてたんだ。

冗談っぽくたぁ兄を巻き込んでみれば、即座にツッコまれてしまう。

ずっと入ってこなかっただけで話はちゃんと聞いていたようだ。

須貝さんと何やら話しているようだが、生憎左側で起こっている事はあまりよく聞こえない。



「いやーでも、Aちゃんの手料理が食べられるとは、良いクリスマスイブになりましたよ。」



なんて謎に感慨深そうに鶴崎さんが言うので、



『それは何よりです。』



と笑顔で返す。

私こそ、とても楽しいクリスマスイブをありがとうございます!

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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時

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