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epi.41 距離感 ページ43

Your side



「ほーい、鍋通るぞー!」



須貝さんが声をかけると、おぉ〜!と何人かが歓声をあげる。

ご飯を求めて飲み会に参加したはずが、急遽料理担当に任命されてしまった私は、色々悩んだ結果元々の予定であったお鍋を中心に、中途半端に余ってしまっていた材料でちょっとしたおつまみになるようなおかずを数品作る事にした。

須貝さんが事前に購入していたものに加え、ついでに冷蔵庫に眠っていた賞味期限の近い食材たちも消費できたので、まあ上出来だろう。



「あれ!?なんかすげぇ見た目綺麗なんだけど。」



どれどれ、なんてテーブルに置かれた鍋の出来栄えを見に来た鶴崎さんが声を上げる。



「そうよー。なんたって今日はAちゃんお手製なんだから。」



何故かドヤ顔で言う須貝さんに、マジで?なんて言いながら他の方々もこちらにやってきた。



『とりあえず色々作ってみたんですけど…。』

「うわーすげえ。ちゃんと大根面取りしてある。」

『クイズ頻出テクニックですからね。』

「盛り付けも細やかだなぁ。」



なんて口々に誉めて下さる皆さんに、なんだかこそばゆい気持ちに気持ちになっていると、



「あら、今日も美味しそうで。」



と聞き慣れた声がする。



『あ、河村さん。ありがとね誘ってくれて。』

「いやいやこちらこそ色々作らせちゃってすまないね。お腹空いてたんでしょ?」

『そう!だからもう食べたい!みなさんも各自好きなのどんどん取ってっちゃって下さいね〜!』



そう声をかければ、はーい、なんてノリ良く返事をしながら皆さんが料理に手をつける。



「うわうめぇ!」

「んー!美味しい!Aちゃんも食べな食べな。」



と、山本さんに促され、ようやく私もご飯にありつく。



『うん、OK。須貝さんもお手伝いありがとうございました。』



今日はきっと皆さんお酒がメインだろうから、少し味付けは濃いめにした。

さっき味見はしたけれど、ちゃんと美味しいことを改めて確認し、須貝さんにお礼を言う。



「いやいや!お役に立てたなら良かったわ。」



そう言ってニカッと笑う須貝さん。

うん、ナイスガイ。

42→←作者より



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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時

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