epi.34 ガチオタク ページ35
Your side
あっという間にもう12月。
大学との兼ね合いもあり、最近はあまり出社できていなかったが、私の出ている動画は変わらず投稿されていた。
今日もサブチャンネルで絶対音感クイズに挑戦した動画が公開され、[シンプルにめちゃくちゃ無双できたので見てください!]と宣伝ツイートをする。
あれ、どっちかって言ったら相対音感クイズだけどね。
初登場から3ヶ月、少しずつ視聴者の方にも私の存在が馴染んできたようで、SNSのフォロワー数はぐんと増え、その中にはありがたい事に私のファンだと言って下さる方もいらっしゃる。
なんだか不思議な気分になりながら頂いたリプライに目を通していると、
「AちゃんもすっかりYouTuberって感じだねぇ。」
と、いつのまにか近くにいた山本さんに話しかけられる。
『いえいえ、もうQuizKnock様様ですよ。』
みなさんの人気には敵いませんけどね、と返せば、
「そんなの時間の問題だって。絶対すごい人気になるよ。」
なんて笑顔で言って下さる。
山本さんのキラキラスマイルを直接拝めるのはなかなか役得だ。
すると、近くで作業していたこうちゃんが、
「そういえばこの間のAちゃんの企画、すげえ面白かったよ。」
と声をかけて下さり、それに反応した山本さんが、
「あーそれねぇ。僕も参加したかったなぁ〜!」
なんて言いながら大袈裟に悔しがる。
実は先日、例の私企画の動画の撮影が行われたのだ。
初めての事でなかなか勝手が分からず苦戦したが、たぁ兄やいつもサポートに付いて下さっている先輩にアドバイスを貰いながら、何とか問題を揃える事ができた。
また、自分が出来る楽器を選んで実際に弾いて解答するという方式を取ったら、思った以上に盛り上がった。
それにしてもだ。
『いつもあんなクオリティで問題用意できるみなさんって本当に凄いんだなぁって再認識しました。』
元々思っていた事ではあったが、自分でやってみて痛感した。
やっぱりこの人達凄いわ。
仕事に出来るってこういう事だよなぁ、と思っていれば、
「そんなん慣れよ!」
「そーそー。やってけば段々コツも掴めてくると思うし。」
そんな気にしなくてもちゃんとできてたし!と励まして下さるお2人。
そんな調子で撮影の思い出話になったところでこうちゃんが何か思い出した様に、
「ていうかさ、Aちゃんって、本当にクイズ初心者?」
と尋ねてきた。
私何かしたでしょうか。
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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時