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epi.1 縁 ページ2

Your side


大学2年の春。

私にQuizKnockの話を振ってきたのは大学の門下の先輩だった。



『知ってるも何も…』



私、河村拓哉と幼なじみなんですけど。

言いかけて思いとどまった。

私は、彼の影響でチャンネル登録者がまだ2,3桁だった頃からQuizKnockを知っているが、彼らももう人気YouTuberの仲間だ。

もしも余計な事を口走って、会わせて!なんて言われた日には面倒なんてもんじゃない。

突然黙ってしまった私を不思議そうに見つめる先輩に、慌てて返事をする。



『いや、はい、知ってますよ。どうしてですか?』

「実は私、そこで今ライターっていうのやってて。」

『え、そうなんですか?』



初耳の情報と思わぬ繋がりに少し心拍数が上がる。



「それで、ちょっと今度書く記事のお手伝いして貰えないかなぁって思ったんだけど。」



なるほど。そういう事なら別に断る理由もない。



『そうだったんですね。私でよければ協力しますよ。』

「良かった〜!ありがとね!」



そう言って笑う先輩の姿は、いつ見ても癒される。

なんて思っていたらパッと表情を変えて。



「っていうか、なんかあるの?」

『へ?何がですか?』

「いや、さっき一瞬固まってたからさ。もしかしてファンとか?」



なんてニヤニヤしながら聞いてくる先輩。



『いや、ファンっていうか、実は昔からの知り合いでQuizKnockに関わってる人がいて…』



ライターって事なら別に言っても良いよね。

と思いつつも、何となく名前は伏せることにした。



「え!そうなの?!なんだぁ、じゃあほんとに適任じゃん!Aちゃんに頼んで良かった〜!」



と、いつもは穏やかなのに珍しくテンションが上がっている様子の先輩に、思わず頬が緩んだ。

2→←Prologue



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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時

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