【QK】I need…【kwmr】 (ページ41)

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河村side

お腹が空いたらしい彼女を、オフィスに呼び付けてみた。

どうせ今日も朝から練習しているうちに昼ご飯を食べ損ねたのだろう。

そういえばさっき須貝さんが鍋にするとか何とか言って大量に食材を買い込んでいた。

別に男が作る料理が嫌いな訳じゃないが、Aに頼めばきっと同じ料理でも数倍良い物が出来るだろう。

｢須貝さんそれ、ちょっと待ってたら良い料理人が来ますよ。｣

｢え、なになに誰か呼んだの？｣

と、調理スペースからひょこひょこやって来た須貝さんにトーク画面を見せる。

｢ん？あぁ！Aちゃん来るの？｣

｢みたいです。料理はあいつに任せれば良いでしょう。｣

｢上手なの？｣

｢かなり。｣

ほぇー、なんて顎に手を当てて感心する須貝さんに、僕も特に冬場は度々お世話になってます、と付け足す。

｢へー良いなぁ、女子の手作り。｣

｢あなた妹さん居るでしょ。｣

｢妹と幼馴染は違うよ〜。しかもAちゃんやろ？絶対違うって。｣

｢そうですかねぇ。｣

妹と大差ないような気がするけど、と思いながらそう返せば、

｢この贅沢者が。｣

なんて言われてしまった。

そんな調子で特に中身のない話をダラダラとしていれば、いつのまにかAが到着していたようで、キラキラとした目で田村さんと何やら話し込んでいた。

そういえばあの子、田村さんの大ファンだもんな。

会えて良かったねぇ、なんて思いながらその様子を見ていたら山上に、

｢あれ、なんか河村さんが聖母みたいな笑み浮かべてるんですけど。｣

と言われる。何だそれ。

するとそれに反応した須貝さんが、なになに、と僕の視線の先に目をやって。

｢あー！Aちゃん来てる！ちょっとこっち助けて貰って良い？｣

と彼女に声をかけながら先ほどの調理スペースへ歩いて行った。

『はい！わかりました！… 須貝さん何ですかー？』

田村さんとの会話を切り上げたAもそちらに向かって行ったようだ。

さて、今日はなにが出てくるかな。