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Episode4 ページ4
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「 なんかごめん、さっきの 」
西城さんが帰ったあと、複雑な気持ちで
食器を洗っていると、オーナーが来た。
「 あ、いえ、全然気にしてないです 」
「 あ、そうなんや 」
オーナーは私の横に立つと、
「 気にしてくれても、ええのに 」
と呟いて、スタスタと階段を降りてしまった。
不思議に思いながらも、仕事を続ける。
それから、私は何故か
伊沢さんのことが気になっていた。
目が合った時の衝動。
その場では気づかなかったが、
軽く目眩がするほどだった。
瞬間的に感じた。
「 あ、好き 」
叶わないことはわかっている。
また会えるかも定かでないということも。
「 お疲れ様でしたー 」
私は帰り支度を済ませると、
オーナーの元へ行き、声をかけた。
「 あ、うん、お疲れ様 」
少しいつもより低い声だったのは、
気のせいだろう。
「 ほんっま、鈍感な奴やな 」
と彼が呟いたこと。
私は知る由もない。
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作者名:素粒子 | 作成日時:2019年8月31日 2時