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王を漂わせる izw×kwmr ページ20

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俺は欲に飢えている。

「あ、伊沢じゃん。おはよ」

整っていない髪をわさわさとしながらオフィスに優雅に現れたのは、恋人の河村さんだ。

「おはようございます」と返す俺は、憤然としない表情で彼を見やる。

「なに、ムスッとして」

河村さんは俺の顔を覗き込んで、「また寝不足?」とだけ言い残し、自分のデスクへ戻っていった。

「寝不足じゃ、ないです」

俺は、貴方に飢えているんです。と心で呟くが、到底聞こえるはずもない。

「...ふーん。まあ温かい飲み物でも飲んで落ち着けよ」

彼の、白く細く伸びた指が視界に入る。

「あ、ありがとうございます」

机にポン、と置かれたのは1杯のコーヒーだった。

「......伊沢、これ飲んだらこっち来て」

耳のすぐ近くで恋人の落ち着いた声がした。

見れば、彼はもう自分のデスクへ帰着している。

「...え」

俺は呆気にとられてしばし声を失い、固まり、ひとくちコーヒーを啜ったあとで気付いた。

河村さんは、俺が渇欲しているということに気付いていたのか。

コーヒーを全て啜って、彼の元へ近寄る。

「あ、来た」

コーヒーくさっ。と恋人が吐き捨てるが、俺はまったく気にしていない。

「河村さん、どうしたんですか」

「どうしたもこうしたもないよね。来た瞬間の伊沢の顔を見ればわかるよ」

と言って、ニヤリと口角を上げると、突然俺の方へゆっくりと抱きついてくる。

「え、」

「まだまだ修行が足りないなあ」

戸惑ったままの俺を差し置いて、河村さんは片手で自分のシャツのボタンを開け始めた。

誘っているのだということは気付いていた。

しかし、いざとなると緊張して動けなくなる。

「はーやーくー」

彼の鎖骨が完全に露わになって、俺は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。

「河村さん、俺もうダメ」

耐えきれずに恋人を押し倒し、キスの雨を降らせる。

「...ふふっ、よく出来ました」

誘った方は余裕といった表情で微笑し、俺の頭を撫でた。

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ゆーり。(プロフ) - wtnbさん受け美味しかったですありがとうございます( ˇωˇ )kwkm×wtnbのお話ってできますかね、、、?できるのなら、お願いします!リクエスト&コメント失礼しました! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 46907796aa (このIDを非表示/違反報告)
yoyo(プロフ) - 緑茶さん» リクエストありがとうございます!はい、書かせて頂きます。 (2020年2月16日 15時) (レス) id: 482fadba84 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶 - コメント失礼します!リクエストなんですが、編集長×神ってお願いできますかね?シチュはなんでも大丈夫です。 (2020年2月16日 14時) (レス) id: b20aeec65c (このIDを非表示/違反報告)
yoyo(プロフ) - 紫陽花さん» ありがとうございます!作ってみますねー!気長にお待ちください (2020年2月14日 5時) (レス) id: 482fadba84 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - コメント失礼いたします。いつも拝見しています。リクエストでkwmrさん×sgiさんのお話がみたいです (2020年2月13日 21時) (レス) id: 9e4397637e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yoyo | 作成日時:2020年1月24日 0時

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