波打ち際にて ymmt×wtnb ページ12
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なんとなくテレビを見ていると、僕の隣にスっと人が座った気配がしたので目をくれると、僕の好きな人がいた。
「あ、こうちゃん」
僕は隣に座る人物の名を呼ぶと同時に、心臓の鼓動が忙しなくなるのを感じた。
「こうちゃんです。山本さん、暇なら心理テストでもしません?」
と彼は言った。
僕はつい彼の目の動き、喉仏の上下に意識をやっていたせいか、話を聞いていなかった。
「......え、何?」
「だーかーらー、心理テスト、しません?」
と言いながら首を少し傾けるものだからもはや寿命が縮んだようである。
渾身のやつです、と彼は表情筋を緩める。
「うん、いいよ。出して出してー」
僕は努めて平静を装いつつ、彼に訊ねた。
「はい、言いますねー」
「問題」と声を低くして彼は続ける。
「道で出会った可愛い女の子が美味しそうに食べているお菓子は何? 1、マシュマロ。2、チョコレート。3、フルーツグミ。4、ポテトチップス」
人差し指を立てながら喋る彼の声はスラスラと僕の胸に入ってきた。
「うーん。難しいなあ。よし、決めた」
ここは僕の直感で行くことにしよう。
「4のポテトチップスかな!」
僕が言うと、こうちゃんは少し僕と距離を取るようにわざと後ずさりしてソファの端へ移動した。
「...えっ、なになに?!」
僕は何かまずい回答をしてしまったのだろうか。
「いや、あ、なんでもないです」
気付けば彼は頬を赤く染め、「そうだったのか」などと独り言を言っている。
「どしたの?こうちゃん。答え教えてよー」
「いいんですか?本当に」
彼は僕を上目遣いに見やる。僕は頷く。
「ポテトチップスを選んだ人は、ドSらしいです...」
だんだんと声が小さくなっていく。彼の照れ具合がたまらなく、思わず口角が上がる。
「こうちゃんはさ、この質問をしたってことは、僕に気があるってことなんでしょ?」
僕はジリジリと彼に詰め寄りながら話す。
「いや、その.....まあ、そうです」
「ふふっ。なら話が早いね」
僕は「好き」と言う代わりに彼の顎に手を添えて、そっと接吻をした。
「その心理テストすごいね、だいせいかーい」
「や、山本さん.....」
僕の名前を呼ぶ彼が愛おしくていじらしく、しばらく僕は彼と恋の波打ち際のような淵で遊んでいた。
揺れを追う者 sgi×izw→←しばしの潜水 kwmr×kwkm
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ゆーり。(プロフ) - wtnbさん受け美味しかったですありがとうございます( ˇωˇ )kwkm×wtnbのお話ってできますかね、、、?できるのなら、お願いします!リクエスト&コメント失礼しました! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 46907796aa (このIDを非表示/違反報告)
yoyo(プロフ) - 緑茶さん» リクエストありがとうございます!はい、書かせて頂きます。 (2020年2月16日 15時) (レス) id: 482fadba84 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶 - コメント失礼します!リクエストなんですが、編集長×神ってお願いできますかね?シチュはなんでも大丈夫です。 (2020年2月16日 14時) (レス) id: b20aeec65c (このIDを非表示/違反報告)
yoyo(プロフ) - 紫陽花さん» ありがとうございます!作ってみますねー!気長にお待ちください (2020年2月14日 5時) (レス) id: 482fadba84 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - コメント失礼いたします。いつも拝見しています。リクエストでkwmrさん×sgiさんのお話がみたいです (2020年2月13日 21時) (レス) id: 9e4397637e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yoyo | 作成日時:2020年1月24日 0時