僕と先輩の1日 ページ3
問side
僕と先輩の1日の仕事の流れは、かなり違う。元々学生のアルバイトである僕と、社員である彼女とはすれ違う事も多い。しかも、彼女の任されている事務の仕事はとても大変そうだ。書類整理を始め、来客や電話などはよっぽどの事がない限り対応してるし、それこそYouTubeへの出演はないが企画会議には必ず出てる。提供の動画が多いからこそ、事務員として彼女が忙しいのもわかる。
一方僕は、YouTube出演や作問を主に行う。なので、会社内を動き回る彼女とは違い、撮影部屋か自分のデスクにいるか、作問チームとして仕事をしているかのどれか。だから、斎藤さんと話す機会は少ない。折角、隣の席なのにな。
「あれ、問君?
今日来てたんだ。確か、撮影は明日だったよね?」
「さ、斎藤さん!?」
嘘。斎藤さんと話せた。今日、運良いかも。
「ふふ。何驚いてるのよ。でも、久しぶりだね。
最近問君達も忙しくて、大変そうだもん」
「そうですね。でも、クイズが好きですから」
「うちの会社の人達、みんなそう言うね笑
私は競技クイズした事がないからな〜。よくわかんないんだよね。けど、他の皆んなは違うんだ。
会社のメンバーがそれぞれ輝く瞬間って、あるの。いきなりこんな話されて戸惑っちゃうと思うんだけど、ごめんね。でも、いつも裏方にいるから分かるの。それって、クイズを仕事にしてる時なの。例えば、問君はクイズを作る時と解く時。その時の問君、物凄いカッコ良いよ!」
「っ!?///」
「あ、こんな時間。ごめん、私次の仕事に行かなきゃ。
あんまり詰め込み過ぎないでね。頑張る事は良い事。だけど、身体を壊したら元の子もないから。Don't be reckless.
今こんなのしか持ってないけど、これでも食べて一回休憩しなよ〜」
狡い人。その大人の余裕が狡い人だよ。そう簡単にカッコ良いなんて言わないでください。益々、惚れてしまう。
Don't be reckless.、、、無茶はしないで、か。それはこちらのセリフだけどね。
「あれ?問ちゃん、そのキャラメルなに?」
「これ?
内緒だよ」
「ふ〜ん」
こんなこと言ったて、言ちゃんには分かっちゃうだろうけど。休憩してと言われても、好きな人から貰ったお菓子って食べずらいんだよな。
その後、僕は斎藤さんとは一度も会わずに帰った。いつもそんなもの。たった数分、彼女との会話。でも、今日は良い方。会話なんか無く、すれ違うだけの日、合わない日もあるから。
今日も好きだな。
94人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神影(プロフ) - 山本さん・・・ぐすっしくしくしく (3月27日 1時) (レス) @page21 id: 690f341ea7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鳩原色 | 作成日時:2023年4月6日 23時