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｢.........え？どうして…｣
山本は俯いたまま何も言わない。
｢別れようにも別れられないんだろ？俺が着いてるから。もう何も、怖い思いはさせない。｣
山本は堪えきれなかった涙を零しながら首を横に振った。
｢……もう、耐えることが出来なくて、大学2年生になる頃、別れ話を持ちかけようとしたことがあるんです。けど、慎也を目の前にしたとき、言い出せなかった。それは恐怖心からじゃなくって、ただ単純に、僕は、……慎也のことが好きだったんです。別れたくないって、思ってしまったんです。暴力を除けば、慎也は本当に完璧な人。暴力だって、頻繁に受けてた訳じゃない。我慢出来る。そう思うと、僕は別れられなかった。｣
山本の目から涙が溢れた。
｢好きなんです…慎也のことが。どんなに暴力を振るわれても。｣
嗚咽まじりに、はっきりと山本はそう言った。
俺はそれ以上、何も言うことが出来なかった。
｢伊沢さん、僕のことを心配して言ってくれてるんですよね。ありがとうございます。…けど、僕は大丈夫ですから。｣
｢暴力受けてて大丈夫なわけないだろ！？俺じゃ頼りないにしても、せめて警察に…｣
｢いいんです！！もう、今更……。ほんとに辛くなったら、僕だって男です。立ち向かえるし、逃げ出すことだってできます。｣
笑顔を作って見せる山本。
｢……じゃあ、本当にヤバくなったらすぐ言って。絶対に守るから。｣
俺は山本の頭を撫でた。
｢はい。ありがとうございます。｣
本当は食い下がりたかった。
けど、多分、俺が何を言っても山本の答えは変わらないだろう。
山本は変えられない。
だったら、彼氏の方を変えるしかない。
俺は明日、ふくらさんに相談して山本の彼氏に会いに行くつもりだった。
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榎宮(kamiya)(プロフ) - taiyakiさん» ありがとうございます！！長くなると思いますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです(*´∀｀*) (2021年2月28日 17時) (
レス) id: fde5522bfa (このIDを非表示/違反報告)
taiyaki(プロフ) - izym好きなので、長編小説とても嬉しいです〜！！次回の更新もし楽しみにております (2021年2月28日 17時) (レス) id: 12caf42540 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：榎宮(Kamiya) | 作成日時：2021年2月28日 15時
