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オフィスの入口でスマホを片手に、河村が来るのを待つ。
状況理解が追いつかなくて、夜風に当たるついでに1人になりたかったから。



「お待たせ」



背後からきこえた声に、何も悪いことなんてしてないのにドキりとする。



「全然、てか河村何かあった?」

「どうして?」

「どうしてって、珍しいじゃん“一緒に帰ろ”なんて」

「何かなきゃ一緒に帰ってくれないと?」

「そういう訳じゃないけどさ、」



隣を歩く河村とは、なんだかんだ付き合いは長い。
でも、付き合い始めたのは最近。
正直こういう時に、可愛いことが言えたらいいんだろうけど、私にはハードルが高い。



「Aはさ、なんで付き合ってくれたの?」

「え、」

「僕は、友達でもいいって思ってたんだけど、独り占めしたいっていう欲に勝てなかった。だから告白した」




“なぜ”と言われると、それに相応しい言葉は見当たらない。
モヤモヤとまた少し心の中に闇が広がった気がした。




「私は……」

「Aは、そのままでいいの」



河村が止まるから、私も止まる。



「最近、その顔よくするよね。何かあるんでしょ?」

「大したことないよ?」

「僕は、そういう時に“彼氏”という立場を乱用して、Aの傍にいさせて欲しい」



街灯で河村の顔はよく見えないけど、私の顔は酷いと思う。



「でも、こういう時どうしたらいいかは、分からない。だから、」

「っ、」




河村の顔が近づいて、マスク越しに唇が重なる。




「僕なりに甘やかしてあげたいなと、そういうこと」

「ちょ……」

「何?彼氏なのに手も繋がせてもらえないの?」

「そういう訳じゃないけど!」

「ほら帰るよ」




言葉にできないモヤモヤは、いとも簡単に影を潜めてしまった。
代わりに河村で上書きされてしまったので、それはそれで、顔に熱が集まる。




「……心臓に悪い」

「驚いて、他に考えられなくなったでしょ?」

「まぁ、たしかに」

早起きは1杯の得。[ymmt]→←良薬は心臓に悪し。[kwmr]



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りりぃ(プロフ) - シラユキ。さん» コメントありがとうございます!全て面白いなんて言っていただけて、嬉しい限りです⋆*リクエスト了解致しました。シラユキさんもご自愛ください𓂃◌𓈒𓐍 (9月24日 9時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ばたこさん» コメントありがとうございます!リクエスト了解致しました⋆*ご期待に添えるよう頑張ります! (9月24日 9時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。 - お話全てが面白い短編集を見つけてしまった…リクエストいいですか…mnちゃんのお話を頼みたいです…!できればでいいのでお体に気を付けて頑張ってください! (9月18日 15時) (レス) @page36 id: fd9c934f53 (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - いつも応援してます!リクエストなのですが、東言さんのお話みたいです、!更新ゆっくりで大丈夫です!! (9月18日 11時) (レス) id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!ものすごく嬉しいお言葉ばかりでニコニコが止まりませんでした*°今は少し忙しくまばらな更新になってしまいますが、是非お待ちいただけると幸いです!ありがとうございます! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりぃ | 作成日時:2022年9月24日 16時

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