フルーツは真っ赤なアップルが1番。【短編】

立てば向日葵。[sgi] ページ22

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昔なにかの本で読んだ。
向日葵は太陽神アポロンに恋をした妖精が、地上からずっと見上げ続けて、根付いて、花になったのだと。




「Aちゃんお疲れ様、今日は学校帰りなん？」

「わ！須貝さんお疲れ様です」



オフィスまでの道を歩いていると、後ろから声をかけられる。



「今日は午前中だけの講義で、帰るのもめんどくさくて」

「わかるわかる。絶妙にな、時間余ったりすると困るよな」



自分よりも20数cm程高い、須貝さんを見上げる。
今日も笑顔が素敵だ。



「そういえば、須貝さんもこの時間にオフィス行くの珍しいですよね？」

「あー、まぁね」

「もしかして、私地雷踏み抜きました？」

「ちゃうよ(笑)大丈夫。たださ、最近ちょーっと立て込んでもうて」



かなりタフに見える須貝さんが、眉を寄せる忙しさなんて、私には想像ができない。



一定の距離を保ちながら、オフィスまでの道のりを歩いていく。




「Aちゃんはどうなん？学校順調？」

「そうですね、まぁ、上手いこと単位は取れてます」

「心配なことあったらいうてや？お兄さんいつでも相談のるから」

「心強い限りです！」



そう、所詮“年齢差”というものには抗えない。

どんなに頑張ったって、越えられない。



「あ！そういえば、次の範囲で少し分からないことがあって…考え方合ってるか聞いてもらってもいいですか？」

「ええよええよ、そしたら予定合わせようか」


越えられる自信もないんだけど。

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