策士危うきは利用する。[fkr] ページ20
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ハロウィン。
それは、死者を弔う祭りごと。
というのも忘れ去られているここ日本では、各々好きなコスプレを楽しみ、朝までどんちゃんな行事となっている。
「でもさ！おかしくない!?」
隣のデスクでパソコンと向き合う乾に問いかける。
「もう、朝からどうしたんですか」
「なんで日本は仮装の行事しか残ってないの！お菓子配ろうよ！」
「そんなにお菓子に全力なのAさんくらいです」
だってハロウィンだよ？
トリックオアトリートって言ったらお菓子貰える日だよ？
「ねぇ、乾。トリートオアトリート」
「後輩にたからないでくださーい」
あっさりと躱されてしまった。
しょうがない。
私のことが、大好きで大好きでしょうがない彼氏様にたかりに行きますか。
なんて、休憩もそこそこにお昼休みまであと少しの時間をパソコンと向き合うことにした。
「ふくらさーん」
「ん？福良さん今居ないよ？急ぎ？」
「あ、山本くん。じゃあ山本くんでもいいや、トリートオアトリート」
「え？」
「ん？」
「…あぁ！ハロウィンね！」
そう言うと、ちょっと待っててなんて自分のデスクに戻っていった。
やっぱり山本くんは優しいな。
乾とは大違いだ。
「Aちゃん、はいどーぞ。こんなのしか無かったけど」
「え、ほんとにいいの？チョコ」
「だってトリートオアトリート言ったのAちゃんじゃん(笑)」
「やったー！あ、コレ上げる」
ポケットに隠していた棒付きキャンディを代わりに上げる。
「ふふっ、ありがとう」
「ねぇ2人で何してんの？」
「あ！福良さん、Aちゃんが用事だって」
「なに？」
“じゃ、僕戻るんで”なんて戻っていく山本くんには、悪いことしたなぁなんて。
だって待ちに待って現れた福良さんは、眉間にシワが寄っていて、どことなく不機嫌なオーラを纏っていた。
「福良さん！トリートオアトリート」
「は？」
「だから！トリートオアトリート！お菓子！ハロウィン！」
「…あぁ、そういう事ね。んー、じゃあお昼一緒に食べよ。コンビニにデザート買いに行こ」
「やったー！さすが福良さん！」
ため息を1つつくと、おもむろに財布を取り出して、サラッとお昼に誘ってくれた。
それだけで私は正直ハロウィンとかどうでもよくなってしまった、なんて口が裂けても言えない。
こうしてしっかりお菓子を貰って、私のは棒付きキャンディで少し申し訳なかったけど、私のハロウィンは幕を閉じた。
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りりぃ(プロフ) - シラユキ。さん» コメントありがとうございます！全て面白いなんて言っていただけて、嬉しい限りです⋆*リクエスト了解致しました。シラユキさんもご自愛ください𓂃◌𓈒𓐍 (9月24日 9時) (
レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ばたこさん» コメントありがとうございます！リクエスト了解致しました⋆*ご期待に添えるよう頑張ります！ (9月24日 9時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。 - お話全てが面白い短編集を見つけてしまった…リクエストいいですか…mnちゃんのお話を頼みたいです…！できればでいいのでお体に気を付けて頑張ってください！ (9月18日 15時) (レス) @page36 id: fd9c934f53 (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - いつも応援してます！リクエストなのですが、東言さんのお話みたいです、！更新ゆっくりで大丈夫です！！ (9月18日 11時) (レス) id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！ものすごく嬉しいお言葉ばかりでニコニコが止まりませんでした*°今は少し忙しくまばらな更新になってしまいますが、是非お待ちいただけると幸いです！ありがとうございます！ (2023年3月31日 1時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりぃ | 作成日時：2022年9月24日 16時
