クンツァイトの慈愛【QK】 (ページ7)

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他　　愛ページ7

you side.

あの時の言葉の意味をそのまま受け取ってしまってもいいものだろうか、と頭を悩ませて3日が経った。
編集を終え、動画をアップロードするためにレンダリングをしている途中で携帯を手に取り緑のアイコンのアプリを開く。

4日前まで交わされていたトーク画面を見つめ、大晦日に返信が出来なかったことを悔やんでいた。
あの日は朝から忙しくゆっくり返信しようと思っていたら日付を跨いだ元旦に出会ってしまったものだから返せずにいた。義務ではないから気にしなくても良いのだろうが、推しである彼と交わされるメッセージのやり取りが癒しのひと時であり幸せな時間であったことは明確だった。

あの時「誕生日プレゼントだと思って時間をください」と言われた時にすぐにイエスと言えなかった。照れから来るものだったことですら自分が妬ましい。あそこで素直に受け取っていればここまで悩むこともなかったであろう。
社交辞令だとしても、会いたい。バディから告げられた企業案件動画の内容を使ってでも彼に会いたい。職権濫用だとバレてしまったら怒られてしまうか？なんて頭でぐるぐる考えていたって解決することはない、と腹を括り彼へ言葉を紡いでいく。

ーこんばんは。不躾で申し訳ありませんが、一緒に企業案件動画撮りませんか？2人で。

素直にお誘いの一つもできない自分が嫌になるが、メッセージを送ればすぐに既読がつき心臓が高鳴る。

〝こんばんは。ぜひ！喜んで。〟

彼からの返信に心臓の音が早くなっていく。