汎 愛 ページ15
kwkm side.
『アプリを開発したらそれを紹介する動画を撮ればいい、何かを思いついたら企画者として発言すればいい、やりたいことをやれるのがYouTubeです。一度その世界に踏み込んだら、それは切っても切れない関係です。』
だからYouTubeから完全にいなくなるなんて寂しいことを言わないでください、と告げられ彼女はとうとう一筋涙を流した。ポケットに入っていたハンカチを彼女に渡すと自身が涙を流していたことに気付いた。
「そうですよね、多分アプリの紹介とかはやる気がします。まだ出してない動画もあります。けどこの件に関しての動画は撮らないつもりでして」
少しだけ申し訳なさそうに話すとハンカチを口元に当て、ふふと笑い声が聞こえる。
『それはなんだか川上さんらしいですね。でも卒業が確定したらSNSで軽く触れた方が良いと思います。この間の動画で久しぶりに川上さんが見れたってコメントが多かったですから』
少しばかり迷惑をかけていたことに落胆する。このことを伊沢さんは予期していたのだろうか。
『戻ってきたくなったら、いつでも画面内に戻ってきてください。今まで以上により良いものを作っていく…たとえ裏方に回っても私はQuizKnockのファンであり、一生川上さん推しです!』
キラキラと光る彼女から想像だにしない言葉がたくさん投げかけられ大人の余裕を見せつけらた気がした。
そしてまだまだ自分は子供なんだと考えさせられた。
そのキラキラしたものを掴めば貴女に近付けるのか。
早く大人になりたい、そんな子供じみたことを考えグラスに入ったシャンパンを口にした。
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作者名:宇佐美 | 作成日時:2020年3月5日 13時