クンツァイトの慈愛【QK】 (ページ13)

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愛　　寂ページ13

kwkm side.

1月下旬に例の動画をあげます、と告げられその日が来るのを待ち投稿日が来た。伊沢さんにAさんとの動画下旬に上げるそうですと日付を伝えるとオフィスにあったスケジュールホワイトボードにデカデカと記入されていた。

伊「やっぱり、Aさんに活動のこと話しておいたら？」
YouTube活動をやめたことをファンにも彼女にも話すつもりはなかった。最近見ないな、程度で思ってくれたらいいなという考えは甘かったのだろうか。
ここにいる社長は鋭い。時期を見誤るな。そしてちゃんとしろ、そういうことを伝えたいのだと解釈する。
川「分かりました。」
それだけ言うと伊沢さんは楽しそうにPCを開きオフィスにいるメンバーを招集し始めた。

伊「たった今、Aさんの動画が上がったのでみんなで川上の彼氏っぷりを拝見しましょうー！」
そう叫ぶとみんなニヤケながら各々モニターの前に座る。

川「くそ、先に帰れば良かった」
声に出したが誰からも反応はなく、モニターから聞こえる彼女の声に全員夢中になっていた。

　

高学歴彼氏(仮)とのデート【QuizKnock川上さん】

　

そんなタイトルに頭を抱える。照れ。恥ずかしい。
企画、企業案件とはいえ俺の前でみんながそれを見ているのが耐えられなかったがそこから逃げることをメンバーは許してはくれなかった。

こ「まじで彼氏じゃないっすか」
須「素すぎるんじゃないか？」
福「川上さんこんな顔するんですねぇ」
伊「Aさんとのデートいいなぁ、なんで俺じゃなくて川上なんだよ！」
河「伊沢だと別の意味で案件になるからじゃない？」
こ「確かに、そうなっても俺は弁護しません。」

そんな会話を横目にAさんにLINEを打つ。
多分タイミングはよくない。けど決めたらすぐ行動したかった。

〝動画投稿お疲れ様でした。今度お話したいことがあるのでお食事でもどうですか？〟