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友人、川上さんの彼女である片口さんからの初めてのLINEは、こんなお願い事だった。
[片口A:渡辺さん]
[片口A:法学について教えてくれませんか?]
こうちゃんでいいと言っているのに頑なに渡辺さん呼びな彼女は、クイズについて勉強する過程で法学に興味を持ったという。
勉強を教えるのは苦手だけどそれでもいいなら、と了承した次の日のこと。
『あ、渡辺さん。こんにちは』
「もー、こうちゃんでいいって言ってるのに」
『心の中ではこうちゃんです』
ならそう呼べばいいのに……。
「あのね、これ。俺が1回生の初めの頃に読んでた参考書で、結構入りやすいやつ」
『わあ、ありがとうございます……!』
「分からないとこまとめて訊いて?細かいことでもいいかんね」
はい!と満面の笑みで頷く片口さんは、やっぱりかわいいと思う。
……やっぱりというのは、みんなが言ってる通り、ということ。川上さんとか伊沢さんとかふくらさんとかもろもろ。
こんなこと言ってたら、川上さんに怒られる。
「A、帰ろ?」
『あ、はいっ。渡辺さん、ありがとうございます』
ぺこ、とお辞儀して、川上さんに連れていかれる我らのお姫様。
あの子は、川上さんの隣にいるときの笑顔がやっぱり一番かわいいんだと思って、ほっこりした。
『渡辺さん、この後、質問いいですか?』
彼女にそう問われたのは、次の日の夕方。
読み切るのに3日はかかるかと思ったのに……。
「えっ、もう読んだの?」
『はい、面白くて、読み込んじゃいました』
「すごいなぁ……いいよ、どこ?」
マーカーとかしてもいいよ、と言ったのに、付箋やシールを駆使して綺麗に返せるように使ってくれるところに、几帳面さを見た。
しばらく質疑応答をしていると、彼女のすぐ側に、王子様であるところの川上さんが腰を下ろした。
そのまま彼女に体重を預け、パソコンを開く。
彼女はそれを気に留めることもなく、話を続ける。
『ここが、ここと矛盾してる気がして』
「あ〜俺も最初思ったよそれ、でも__」
『あっ、なるほど!』
やっぱり渡辺さんに訊いて良かったです、と言った片口さんは、隣にいる王子様のおかげか、花が咲くような笑顔で。
ちょっと惹かれてしまったのは、また別のお話。
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夢主が全員に愛されていないと気が済まないタイプです。
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りんり(プロフ) - 莉華さん» ですので、莉華さんが良ければ、非表示を解除していただいても私が口出しするものではありません。もし気になる読者様から指摘がありましたらこちらで対応しますので、ぜひ気にせず執筆を続けていただきたいです。ご迷惑お掛けしました。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 莉華さん» 返信が遅くなってすみません。また、わざわざ当作品を読んで下さり、対応ありがとうございます。私自身当作品が大して独自性のあるものとは思っていませんし、似たような作品ならむしろ読みたいくらいです。(↑続きます) (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - yukiさん» 返信がたいへん遅くなってすみません。報告、ありがとうございます。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
莉華(プロフ) - yukiさん» 当事者です。この作品のことは全く存じ上げておらず、作品を作成しておりました。りんり様のこちらの作品を読ませて頂きましたが、自分でも凄く似ているな、と思いました。当該の作品に関しては非公開という形にさせて頂き、修正致します。大変申し訳ございません。 (2020年4月25日 20時) (レス) id: 907e72034e (このIDを非表示/違反報告)
yuki - すみません。似たような作品が作成されていますよ。(莉華様の「川上さんが甘々なんですが。」という作品です。) (2020年4月25日 0時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんり | 作成日時:2019年1月26日 22時