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『ここであってる、よね』
翌日正午、2度目のオフィス。
土地勘のない私には一度しか来たことの無いところに1人でくるのは不安だったが、連日川上さんに頼るのも気が引けたので、頑張ったという次第である。
チャイムを鳴らすと、
「……あ、こんにちは」
『こんにちは、川上さん』
あぁ、今日もかっこいい。
いつか動画で見た深いカーキのシャツを着た彼は一段とかっこよくて、ついため息を漏らす。
「口に出とるよ」
『えっ、ほんとですか』
「うそ」
『えええ』
どうせかっこいいて思たんやろ?と少女漫画の俺様キャラさながらの台詞を吐く川上さん。
くっそう(屈葬)、似合うから腹立たしい。
『まあ、事実ですもん』
「昼間っから何言うとん。まあ、」
Aさんも、かわええよ。
『ヴッ』
暴力。これは暴力だ。
「なんや、大丈夫か」
「何してんの川上、あ、Aちゃん」
『伊沢さんたすけて、川上さんが私を殺しにかかってます……!』
!?となるお二人を後目に、私はオフィスにお邪魔する。撮影部屋に入ると、ちょうど腰を上げたらしい河村さんが目に入った。
「あ、片口さん。こんにちは」
『河村さん、こんにちは。川上さんが私を誑かしてきます、たすけてください』
「川上が?いいんじゃない?楽しんどけば」
ええー、と眉を下げると、まあ頑張りな、と肩を叩いて出ていってしまった。
「ねーねー、君が新しいメンバーさん?」
声のした方を見ると、かわいい男の子がいた。
……といっても、彼の方が4つも歳上なことは分かってる。
『あ、はいっ。片口Aです、よろしくおねがいします!』
「わあー、めっちゃかわいいね、アイドルみたい!僕山本祥彰です。早稲田生です〜」
『はじめまして、そんな、滅相もないです。動画みて、いつも山本さんに癒されてます』
視聴者さんなのか!といつも(動画)どおりの可愛らしい笑顔を振りまいてくれる、天使。
「そういえば、川上さんの彼女って聞いたけど、ほんと?」
『えっ、ちがいますちがいます』
「そうなの?川上さん」
山本さんが、私の背後に話しかける。
おもむろに振り返ると、いつもよりちょっと冷めた目をした川上さんがいた。
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りんり(プロフ) - 莉華さん» ですので、莉華さんが良ければ、非表示を解除していただいても私が口出しするものではありません。もし気になる読者様から指摘がありましたらこちらで対応しますので、ぜひ気にせず執筆を続けていただきたいです。ご迷惑お掛けしました。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 莉華さん» 返信が遅くなってすみません。また、わざわざ当作品を読んで下さり、対応ありがとうございます。私自身当作品が大して独自性のあるものとは思っていませんし、似たような作品ならむしろ読みたいくらいです。(↑続きます) (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - yukiさん» 返信がたいへん遅くなってすみません。報告、ありがとうございます。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
莉華(プロフ) - yukiさん» 当事者です。この作品のことは全く存じ上げておらず、作品を作成しておりました。りんり様のこちらの作品を読ませて頂きましたが、自分でも凄く似ているな、と思いました。当該の作品に関しては非公開という形にさせて頂き、修正致します。大変申し訳ございません。 (2020年4月25日 20時) (レス) id: 907e72034e (このIDを非表示/違反報告)
yuki - すみません。似たような作品が作成されていますよ。(莉華様の「川上さんが甘々なんですが。」という作品です。) (2020年4月25日 0時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんり | 作成日時:2019年1月26日 22時