体調が不良気味のようです【QK】-5- (ページ30)

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河村｢あ、そうだ……。じゃあさ、今日俺と一緒に帰らない？｣

河村さんと一緒に……？

河村｢1人で帰るより、2人の方が怖くないでしょ？｣

川上｢でも……良いんですか？｣

河村｢いいのいいの！俺のことは気にすんな！それに、俺が川上と帰りたい気分なの｣

絶対、俺が気にしない為に言ってくれているだけだな。

分かってるけど、今日は河村さんのお言葉に甘えてみようかな。

川上｢じゃあ、お言葉に甘えて｣

俺がそう言うと

河村｢良かったー。俺と帰るのが嫌なのかと思った｣

河村さんは冗談っぽくそう言った。

川上｢お先に失礼します｣

河村｢俺も、お先に失礼します｣

山本｢お疲れ様です！｣

伊沢｢お疲れ様です｣

須貝｢お疲れ様〜｣

挨拶をして、オフィスを出る。

2人で歩いていると、また足音が聞こえてきた。

ただ、いつもと違うのは

その足音がどんどん近づいてくるということ。

違和感を覚えて振り向くと

包丁を持った女の人が、どんどん俺に向かって来ていた。

俺の目の前で一旦止まったその女の人は

｢拓郎が、私だけを見てくれないから……拓郎を殺して、私も死ぬ！｣

そう言って、包丁を振り上げた。

危ない……！

そう思って瞬間的に目をつぶった。

でも、刺された感覚も、痛みもこなかった。

その代わりに聞こえてきた｢ゔっ……｣という誰かの呻き声。

目を開けると、そこには河村さんの頭があって

河村さんは、少しずつ俺の方へ倒れてきた。

川上｢河村さん……？｣

河村さんは意識はあるみたいだけど、浅い呼吸を繰り返していた。

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