体調が不良気味のようです【QK】-4-

2 ページ13

執務室で、熱を出した山本以外の3人


パソコンに向かって作業をしていると


川上｢何か、聞こえませんか？｣


川上が唐突にそんなことを言い出した。


耳をすましてみると、確かに何か聞こえる。


泣き声……？


3人で執務室を出ると、泣き声がある部屋から聞こえていることが分かった。


川上｢仮眠室……？｣


ガチャッ


仮眠室のドアを開けると、泣いている山本がいた。


伊沢｢山本、どうした？｣


俺が山本に声をかけると


山本｢いざゎさん……ｸﾞｽｯかゎかみさん……かゎむらさん……ｸﾞｽｯ3人とも、いなかったぁ……！｣


そう言って、また泣きそうになる山本。


待って、何か幼くない？


これって……


河村｢幼児退行？｣


俺と同じことを思ってたようで


2人が同じように感じるってことは、もうそうでしょ。


川上｢山本、どうした？さっきよりしんどい？｣


山本｢山本じゃないｸﾞｽｯもん、よしくんだもんｸﾞｽｯ｣


うん。完全にそうだわ。


伊沢｢よしくん、もう1回お熱計ってみようか？｣


山本｢いざゎさんも、一緒？｣


伊沢｢うん｣


山本｢みんな、どこにもｸﾞｽｯ行かない？｣


河村｢行かないよ｣


山本｢分かっ、た、計る｣


俺が体温計を取りに行こうとすると


山本｢いざぁさん、行かないでｸﾞｽｯ、ぼく、1人こわい……ｸﾞｽｯ｣


山本は、目に涙を溜め、俺の服の袖を軽く引っ張りながらそう言った。


川上｢1人じゃないよ？俺も、河村さんもいるから｣


河村｢それに伊沢もすぐ戻ってくるよ？｣


山本｢ほんと……？｣


伊沢｢うん。ほんと。だから、ちょっとだけ待てる？｣


俺がそう問うと


山本｢……うん｣


そう言いながら、袖を離してくれた。



急いで体温計を持って戻ると


山本｢いざぁさん戻ってきた……！｣


少し嬉しそうに、河村さんと川上にそう言った。


伊沢｢はい、よしくん。計ろうね｣


優しく脇に挟んであげると、大人しく計ってくれて


ピピピピッ


計測も無事終了した。


川上が体温計を山本の脇から取り出し、液晶画面を見ると


川上｢ぇ……｣


驚いていた。


河村｢何度だったの？｣


川上｢38度8分……。高すぎません？｣


最近、めっちゃ忙しそうだったし


ストレスもあったのかな？


河村｢よしくん、しんどいね。冷えピタ張り替えようか｣


幼くなった山本を、できるだけ泣かせてしまわないように


3人で看病をした。

3→←幼児退行 / ymmt -マスカットさんリク-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す