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ry side
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“恋人です”とAが発してから、誰も何も口に出せなかった。
…それだけ、Aの表情が真剣だったから。
皆の視線が彷徨っている隙に手を握られて、ゆっくりと広げられた。手の平に書かれた“あわせて”の文字にゆっくりと頷く。
『…驚きました？』
福「いや、…ううん想定はしてた」
『ネットで話題になっちゃってましたよね。すみません、私の不注意で…』
「…や、Aのせいじゃないやん！俺がもうちょっと注意してればネット記事になんてならなかったはず、だし」
『いいよりょうくん…』
“それで、私を呼んだのはなぜですか、別れろと言いたいんですか”と震える声で紡ぐA。
微かな声の震えに気付いた3人がほぼ同時に顔を上げた瞬間、じっと見据えていたAがじわりと涙ぐむ。
「っ、A」
福「え」
伊「ちょ、何で泣いて…！？」
動揺したのは俺だけじゃなかった。ゆっくり零れ落ちる涙は堰を切ったように止まらない。
『……だって、』
伊「そんな堅苦しい場じゃないから！」
川「そ、そう気になっただけで」
『じゃあなんでこんな、騙すみたいな形で呼んだんですか…』
伊「そ、れは…」
おろおろと狼狽える伊沢さんと川上さん。いつもは俺らより年上みたいな落ち着きがあるのに、こう戸惑ってると年下っぽい。
つーか“あわせて”って言われたって無理だろこれ。
……全部アドリブでこのクオリティ。頭のスペックが違い過ぎる。
ゆめまるに関しては動揺しすぎて酒見詰めてるし。
伊「ふ、福良さんもなんとか言って下さいよ！」
福「うん…んー…ごめん」
「え？」
福「何も言わずに呼び出そうって言ったのは俺だから。泣かせてごめんね。」
嘘には思えない、眼鏡の奥に見える優しい目。
福「別に、りょうさんと金澤を引き離したいわけじゃないよ。」
『っ、本当ですか？』
福「本当、本当。言ったら身構えちゃうと思って 普段の2人を見たかっただけなんだ」
にっこり上がる口角に胸を撫で下ろすと、“安心するな”というように手を抓られる。
擦り寄ってくる小さい体を慰めるように抱き締めると、耳元で呟かれた言葉。
『…ここからだから、気を抜かんで』
今切り抜けたばっかやんって思ったのに、――Aの予想通り 泣き止んだ頃には質問攻めへと変化していた。
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なお(プロフ) - 久しぶりに読み返してニヤニヤしてしまいました。気長に更新待ってます！ (2023年2月9日 22時) (
レス) id: 03abaf9ffd (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - はじめまして。話が好きすぎて何回も見返してます。更新頑張ってください！気長に待ってます。無理せず自分のペースで頑張ってくださいね！ (2021年4月18日 2時) (レス) id: 6e1a7229cc (このIDを非表示/違反報告)
shion(プロフ) - 今日久々に読み返しておりました。ずっとずっと待っております！ (2020年11月21日 0時) (レス) id: 87ea02ffa6 (このIDを非表示/違反報告)
タキ(プロフ) - 気長に待ってます！お仕事頑張ってください！！！ (2020年9月9日 22時) (レス) id: 28b84eb533 (このIDを非表示/違反報告)
遊馬(プロフ) - ひゅんさん» ご愛読有難うございます。大好きだなんて身に余るお言葉…とても恐縮ですが嬉しいです…！ゆっくりペースですが、これからもお付き合い頂けたらと思います。どうぞよろしくお願いします^_^ (2020年5月17日 23時) (レス) id: 96a8d822a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊馬
| 作成日時：2020年2月23日 19時
