目眩く色彩

007.[sub] 話題のケイについて ページ9

sgi side
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福良がカメラをオンにしたのを確認してから声を上げる。


「〜三河屋！」

山「『サブちゃん！』」
「良いハモリだ(笑)」


カメラの画角外にいたにも関わらず、元気な2人に思わず笑みがこぼれる。
近くで校閲してた川上も笑っちゃってるし(笑)


『ねえ〜真似しんで』
山「ぼく！？真似したのAちゃんでしょ」
『嘘だ！！須貝さん私のが早かったですよね？』
「はいはい同じだよ。喧嘩しないでください〜〜」


俺を挟んで右にAちゃん、左に山本。
両隣に来るのはいいけど、俺を介して喧嘩をするな！

不貞腐れるAちゃんを宥めながら、今回のサブチャンネルの内容に入る。


「先日やったケイクイズで1nmも知れなかったケイについてをね、お話しようと思います」

『ナノメートル(笑) 確かに1ymも話せてませんね』
山「ヨクトって誰が知ってるのその単位…(笑)」

『周りが理系で助かりました！(笑) ではご質問等ございましたら挙手にて…』


どうぞ、という声に被せるように“何してんの？”と河村がキッチンからコーヒーを持って戻ってきた。


『サブチャンにて自己紹介中です(？)』


河「…へえ、じゃあ学部とお名前をどうぞ」
『はい！東京大学理学部化学科…あ、ばけがくの方の化学科、金澤Aです！』
河「元気で宜しい。合格。」
『やったー！』


何故か簡易すぎる面接ごっこが始まり、開始数秒で終わった。
画面外にいる福良と川上はツボにハマったらしく“なんの面接！？”と笑い転げてる。…君たち平和だね。

ここで軌道修正しないと笑ってるだけでサブチャンが終わりそうだから俺から質問を投げかける。


「ほらほら学部だけじゃなくてもっと…年齢とか！趣味とか！」
『えーと…？よしくんと同い年で96年生まれです。趣味は〜Twitterと映画館に通うことと音楽…ですかね。』

山「通うのが趣味なの？鑑賞じゃなくて？」
『映画館で映画を見るのが好きなの』


少し間が空いて山本が呟く。


山「…僕映画誘われてないけど？」
『誘ってないもん』
山「誘ってよ！」
『今度ね』


言質を取れたと喜んでる山本…。何となく“今度”って言葉は信用してはいけない気がするけど…。

俺の疑いの視線に気付いたのか、Aちゃんは悪い笑顔で唇に人差し指を当てて内緒というポーズをとっていた。これは小悪魔案件ですわ。


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