目眩く色彩

003. ページ5

.


『えっ要らんことしました？』


私の一言に固まる福良さん。
…いや、おい。


伊「イランイラン？」
川「イランイランは花だから違うでしょ」

『ちょっと。(笑)たまにくだらないギャグ言うのは何なんです？』


雑学で盛り上がる伊沢さんと川上さんにツッコミを投げつつ、私が一番気にしてるのは福良さんだ。
雑学より弁解の言葉が聞きたいってのに…！


福「…収拾つかないから！
ほらセッティングするよ 金澤はこっち」


……はぐらかされた。


『初動画で画面の内外行き来してる人あんま居ないですよね』


しょうがないから後で弁解を聞こうと押し込んで、未だイランイランで盛り上がってる人達を横目に よっこいせと立ち上がって画面外へ移動した。


.


『はい、習うより慣れろ方針で早速第1問！』
伊「えっ早、まじか」


ボタンチェックが終わったところで声をかけると、伊沢さんが早い早いと慌ててた。

“問題。”と声をかけて読み始める。


『原作はかきふらいによるよん――

はい伊沢さん』


伊「けいおん！」
『正解です。』


ピンポンピンポンと音が鳴り響く。
押し負けた須貝さんが“いやこれ俺用の問題〜！”と悔しがっている。


私としてもアニメに強い須貝さんがここを取ってくれると予想してたけど、伊沢さんがクイズ王過ぎるし さっきまで慌ててたとは思えない押しっぷり。


『問題文読みますね。
原作はかきふらいによる四コマ漫画で、アニメや映画にもなっている有名作品は何でしょう？でした』

伊「“けい”おんって訳ね Aのクイズじゃないじゃん！(笑)」
『ジャンル私とは言ってないですよ〜 幅広いジャンルで5問用意しました！問題文か答えにケイが含まれるのでケイクイズです。』
伊「なるほど、オッケー」


『掴めてきたところで第2問行ってみましょう。
問題。一は10の0乗、十――

はい！須貝さん』


光ったのは須貝さんのランプ。伊沢さんと川上さんは全身で悔しさを表してる。


川「！くっそ」
伊「押し負けた！！」


須「まあまあここは理系に任せなさいよ。えー、16」

カメラに向かって手振りをつけながら答える。


『お見事！覚えてるんですか？』
須「京くらいなら御茶の子さいさいよ」


正解の音が鳴り響く中、ドヤ顔の須貝さんがカメラ越しに拳を突き出してくる。イェーイと声を合わせて画面の内外でグータッチをした。


.

004.→←002.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す