目眩く色彩

045.仕組まれた邂逅相遇 ページ48

tsmt side
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イベントやら撮影やらでパンパンだったスケジュールを終え、久々の休日。俺にしては早い時間に起きて、ギターのチューニングをしていた。

片っ端から弾き流してこうと弦を押さえて、上から下へはじくと、


――ブチッ、と。
手元で引き千切れる音。嫌な予感。


「……うっわ、嘘だら。3弦切れたげ」


忙しくて弾いとらんかったから“弦を張り替えて久々に”、と思ったのにこのザマだ。

ギターを置いて替えの弦を探しに立ち上がるが、どこを探しても一向に見付からない。
……さっきので最後だったか？


「っ〜〜クソ！予定変更！」


携帯と財布と鍵とアウター。それらをひったくって外に出る。


ねえなら買いにくまでだ。
岡崎やそこらへんじゃ売ってないし、どうせなら足を伸ばして東京へ。


…そこでピンと思いつく。

弦のためだけに行くのは流石に馬鹿馬鹿しいから、あいつを呼び出そう。会いてえし。


新幹線のチケットを手に改札を抜けると、ポケットから携帯を取り出してメッセージを送った。


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としみつ今日暇?どこおる?


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返事が返ってくることを期待して、新幹線に飛び乗った。


軽く目を閉じてイヤホンから流れる音に耳を傾けてると携帯が振動する。


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A? 暇してますけど東京ですよ
としみつそれは知っとるわ
場所は
A??? 下北沢
としみつ向かうわー とりあえず東京駅着いたら連絡する
Aえ?
ちょっと!?


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立て続けに震える携帯を伏せ次の駅を確認すると、丁度静岡を過ぎたところで。
…少しだけ仮眠でもするかとアラームをセットしてから眠りについた。


東京に着いてAから入ってた数件のメッセージを確認すると、“下北沢には居る予定だけど としくん無視するからそれ以外は教えてやらん！”というシンプルかつ怒りのこもった(？)内容が入ってた。

運良く楽器屋が多い場所だから、駅に近い楽器屋を巡りながら探すかぁと駅を出ると、


「あ」
『え』


――駅前のカフェにおったAに、ばったりと出くわした。

いや、何の運命なん？(笑)


「すぐ見付かったわ(笑)
久しぶり、A 元気にしとった？」


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