誓い【ブラッククローバー】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:13,275 hit

少女の願いページ2

・

　

かの魔法帝が凱旋したらしい今日は王都がいつもより騒がしく盛り上がっているようだ。

この国、この村が存在しているのも代々の魔法帝のお陰である。と大人は言った。

王族は尊く貴族は偉い。魔法帝は偉大だとか。

恵外界の“最果て”に住む私は“下民”と差別されるこの世の中で

蔑んだ目で見下す王族貴族に尊敬の念なんて抱けない。

ましてその頂点に君臨する魔法帝なんて自分の才能に浮かれているだけ。なんて思う。

…まぁ、まだ見たことも直接会ったこともないけどね。

・

洗い終わった洗濯物を乾かすために外に出てみると

幼馴染の1人、アスタが今日もシスターにしつこく求婚を迫っていた。

．．．
思わず魔導書の魔法を使ってしまったシスターの攻撃をくらうアスタ。

それでもなお諦めないアスタのタフさには思わず魔導書の魔法を使うシスターに同情する。

人為的に作り出された風によってアスタは吹き飛ばされた。

教会の他の子たちを引き連れたもう1人の幼馴染、ユノだ。

「まーたアスタがシスター困らせてる〜」

「何回フラれりゃいんだよ」

レッカとため息混じりのナッシュ。

また賑やかになるななんて呑気に思い、一息を吐く。

なんで邪魔するのかとキレながらアスタは問うアスタはユノに勝負を迫るが点で相手にされない。

それでもなお諦めないアスタ。

必殺技を出そうとユノに挑むが何も出ない。

何を隠そう魔法がすべてのこの国でアスタは魔法が使えないのだ。

辛辣な言葉をかけるナッシュ。ほんとに年下かななんて思うくらい饒舌。

肉体労働は負けないと意気込むアスタに見せつけるように巧みな風を使いこなすユノ。

私の持ってた洗濯物も「手伝う」と言ってあっという間に乾かしてくれた。

その秘訣は才能とたゆまむ努力だと、すました顔のユノ。

ユノはこの教会の希望だ

ユノお兄ちゃんはすごい

ユノ兄だったら魔法騎士団に入るのも夢じゃない

ユノばかり賞賛される。

さすがにアスタはいじけたようでしくしくしくと縮こまるがすぐに切り替えて明後日の方向に走り去る。

でも私は知っている。

どれだけ馬鹿にされようとあの日から毎日欠かさず鍛え続けているアスタを。

あの日から泣かなくなったユノを。

何よりだれよりもたゆまむ努力をしているアスタとユノを。

あの日、2人は同じ叶えたい夢を約束し

自分の無力さに嘆いた私は固く拳を握りしめ誓った。

_____“強くなりたい”

と。