今日も世界は。 (ページ29)

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別に、約束とかじゃないんだけど。
時間的に行ける時は、みかさんの所に寄って一緒に帰る。ってなってたから。

言葉だけでも繋がればいいなって思って。離れた場所からメッセージを送る。

メンバーとご飯に向かう途中で、

s『うわ最悪』

h『何？』

s『あの子困ってんじゃん』

翔太がチラチラ見て歩くのを、照と目で追う。

f『あー……え？待て待てまて。』

h『何。知り合い？』

f『いやあれダメだね。うちの子だ。』

h『おい、ふっか。待てって』

照の大きな声が聞こえたけど。
先に足が動いてた。

彼女の腕を、簡単に掴んでる男に。
ほんとは一発当てたい所だけど。

そうもいかないので。

"落ち着け"
自分に言い聞かせながら、冷静に声を出す。

『何してんの。あ、何？友達？』

威嚇のつもりで男を見ると、あっさり去って行った。

何してんの。何でここにいるの。１人なの？どこに行くの？

言いたい事はたくさんあったけど、

『ありがとう』

無事ならいいか。って思った。

・

・

・

s『お前さ、手出されたらどうすんの？』

f『どうしよっか(笑)』

s『真面目に言ってんの。怖くないの？いろいろ』

f『んー……怖くなくはないけど。でも怖かったのは彼女じゃん。』

h『まぁ、そうだよね』

f『大丈夫だよ。メンバーには絶対迷惑かけないから。』

s『そんなこと言ってないじゃん』

少し、空気が悪くなっちゃったな。って思ってると、

a『ふっかはさ。優しいんだよ』

f『何だよ(笑)』

a『とにかく。優しいの。でもそれってさ、ふっかが強いからなんだよ。自分が強くないと、人には優しくできないもん』

f『………ありがと。』

a『や、何が言いたいかって言うと。今みたいな事に遭遇したら、グループの事考えたり、彼女の事考えたり、どっちも間違いじゃないけど、どっちも守れるふっかは凄いなってゆう尊敬の眼差しで俺は見てたよって話。ごめん、何かごちゃごちゃしちゃった』

ごくごくっとグラスの中を飲み干すと、

a『ごめん。何か俺KYだった？』

って、死語を放った。

h『阿部、けーわいって何？』

a『待って？知らない？"空気読めない"の略で、KYなの。知らない？！』

ぎゃははははっ！

翔太と、照と。
笑ってる皆を見て。

この、小さくて大きな世界を。

守りたいと思った