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「ありがとうございました」
もともとあった貧血の数値が悪化してて。
薬をちゃんと飲むように言われた。
あとは、疲労と心労だろう。って。
だって。
薬ってついうっかり忘れちゃうし、疲労とか心労は気の持ち用みたいなコトだと思うし。
「じゃあ、解熱鎮痛剤はいつも通り２種類で、熱が下がったらやめて結構です。貧血のこっちは、ちゃんと毎日飲んでください」
「はい、」
「お大事に」
・
・
・
コンビニにも、お店にも。
しばらく休ませてください。って連絡した。
働かないのは自由だけど、収入が減るっていう現実は厳しい。
「はぁぁぁぁあ、」
エントランスを通ると、郵便ボックスを開ける。
「あ。更新月だった」
部屋のドアを閉めて、玄関に腰をおろしたタイミングでインターフォンが鳴る。
「びっ、くりしたぁ」
そぉっとのぞくと、
「っ、」
深澤くんらしき人が見えた。
開けるべき？
居留守使う？
どっちが正解？
解らないから、
「ふかざわ？」
ドア越しに声をかける。
『何で連絡しないの？』
「大丈夫って言った」
『大丈夫なのにどっちの店にも居ないじゃん。』
「お休みもらった」
『開けてよ。』
「やだ」
『ねえ。人来るから開けて。今日帽子忘れたんだよ。』
どう、しよう。
ゆっくりドアを開けると、彼が滑り込む。
『嘘。』
「え？」
『そう言えば開けてくれるかなって。』
「…………、」
殴っていいかな。
いいよね。
『……ごめん。』
何だコレ。
もう、何かよく解らない。
「だめでしょ。」
『ん？』
「ふかざわ、アイドルでしょ？」
『まあ、そうだね。』
「アイドルがさ、知らない人の家に入ったらだめでしょ」
『知ってるじゃん。』
「知ってる。程度じゃん」
『違うでしょ。』
「……もっと警戒してよ。私がふかざわの写真撮って、Twitterとかインスタに載せたら？
ふかざわの家晒すかもしれな」
『しないじゃん。』
「………、」
『そんなこと。絶対しないでしよ。』
ばかだ。
深澤くんは、ものすごくばかだ。
私なんかを。
信用するなんて
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作者名：k | 作成日時：2020年10月18日 17時
