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「みかさん、具合悪いんじゃない？」
佐藤君が、顔をのぞきこむ。
「んーーそうかも」
「店ちょーみかさんが〜」
最近休みなくて。
気持ちも忙しくて。
疲れたなーとは思ってたけど。
今日はほんとに気持ち悪い。
「みかちゃん帰っていいよ。佐藤君いるから」
「ありがとうございます。じゃあ、お言葉にあまえて」
外に出ると、じっとりとした空気に包まれる。
暑いのは、夏の終わりのせいだと思ったけど。
自分の熱かもしれない。
明日お店どうしようかな……
常連さんと約束入ってるし。
あーーー。
何か……いろいろ面倒くさい。
いつもの道の、いつもの公園を抜けようとして。
誰もいない、ブランコに座ってみる。
背負っていたリュックを下ろすと、じっとりと汗をかいている背中に、風が通った。
微かに。
知っている香り。
近くまで来ていた足音に振り向く。
『危ないだろ。』
「何が、」
『こんな時間に１人で居たらだめだよ。』
「うん」
『どした？何かあった？』
隣のブランコに座ると、キーコ。キーコって、懐かしい音を出した。
「帰る」
とんって、ブランコを足で止めると。
放ってあったリュックを持ち上げた。
「ありがとう」
『ん。』
ほんの、数分。
適当な間隔をあけて、私の後ろを歩く。
エントランスに入ると、
『大丈夫じゃないよね。』
って、前に回る。
「何が(笑)」
『変だもん。いつもと違うでしょ。どした？』
屈んで、顔をのぞき込む。
『熱あるんじゃない？』
突然出された手を。
避けれなかった。
首に触れると、
『マジか。何かあるの？薬とか。買ってくるよ？』
「大丈夫だから」
『家誰か居るの？』
「ほんとに、大丈夫なの。ありがとう」
『あーーーーじゃあ。困ったら呼んで？
ちょっと待っ……あ、携帯貸して？』
「なん、」
『いーからっ。かせって。』
大きな声に驚いて、慌ててポケットから出して彼に渡す。
『何もしないから。』
そう言いながら、携帯を返してくれる。
「ごめん……」
『大きい声出してごめん。……またね。』
部屋の前で、彼をふり返ると。
やっぱり、困った様に。
弱く笑った
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作者名：k | 作成日時：2020年10月18日 17時
