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「お疲れ様でした」
空が、うっすら明るくなる頃。
スーツ君に送られて家に着く。
車を降りると、
「みかさん、」
スーツ君も降りて来て、
「ねぇ。そろそろ、」
肩を掴む。
「言ったでしょ。つきあえない、」
「何でですか？彼氏いないじゃん」
「そうゆう問題じゃないよ」
「つき合わなくてもいいです」
「………それは無理」
「好きとかじゃなくてもいいって」
「そうゆうの嫌なの。ごめん、帰りたい」
手をはらうと、エントランスに向かう。
「諦めませんから」
白と青が混ざった、静かな空に。
低い声が響いた。
ロックを開けると、エントランスに人影が見えてはハっとした。
『おかえり。』
「………、」
『何か言ってよ(笑)』
「うん、あの……」
『ごめん疲れてるのに。寝るか(笑)』
立ち上がった彼が、弱く笑った。
「ふかざわ、」
『んー？』
「もしかして……待ってた？」
『もしかしなくて待ってた。コンビニいなかったから。』
「………、」
だめだ。
何かよく解らなすぎて、泣いてしまいそうだ。
『みかさーん(笑)』
「おやすみっ、」
それだけ言うのが、やっとだった。
ダッシュして、彼の顔を見ないように部屋に帰る。
"待ってた"
って。なに。
違うちがう。そうゆうつもりはぜんっぜんないんだよ。
単純に、待ってたんだよね。
うん、何かよく解らないけど。
期待したらだめだ。
勘違いしたらだめだ。
ベッドにダイブしたまま、ぐるぐるとそんなコトを考えてたら。
いつの間にか眠ってた。
眠った、その夢の中でも。
やっぱり彼は、笑ってた
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作者名：k | 作成日時：2020年10月18日 17時
