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『オマエの話とか興味ないから。』
「そっか、ごめん。久しぶりに会えたから(笑)」
『忙しいの分かってるでしょ。』
「分かってる。分かってるけど、そうじゃなくて。ただ、久しぶりだから嬉しいだけ」
『あっそ。』
・
・
・
声をかけてくれたのは、いつだったっけ。
会社の飲み会で行った、ダイニングバー。
トイレから出ると、彼がいた。
『お姉さん。暇？』
初めて見たあかの他人に、突然そう声をかけられて。
なのに、どうしてか。
「うん」
そう答えた自分がいた。
そのまま、彼と夜の街を歩いた。
人の流れに上手に乗って、それが約束だったみたいに、ココに来た。
名前も、歳も。仕事も。
何1つ知らないのに。
一目で。
私の心を、わしづかみにした。
消えてしまいそうな、白色の肌に、華奢な身体。
全てを、見下す様な目つき。
なのに。
触れた手は、温かかった。
『もう逃げられないから。』
私の上に跨ると、薄く笑ってそう言った彼から。
現在も。
逃れられないでいる。
・
・
・
『ねえ。』
「っ、ごめん」
シャワーを終えた彼に、気がつけなかった。
『今日は？ここにいんの？』
「うん。明日休みだから」
『そ。』
テレビは、ついたまま。
黙ったまま、跨がる。
甘い言葉なんて、１度も言ってくれないけど。
私は、それでいい。それがいい。
彼の、刺さるような視線と、触れる身体の熱。
それだけで、気を失いそうになる。
聞こえるのは、遠くの方で笑う声と。
呼吸の音と。
広い部屋に響く、交わる音。
「ね、だめ。もう……」
『まだだめ。』
涙で、彼の顔がぼやける。
「……やだ……ムリ、」
『いいよ。イって。』
起き上がると、腕をつかまれる。
「っ？」
『どこ行くの。』
「シャワーだよ(笑)」
『だめ。』
腰をつかんで、ベッドに戻される。
「なんで？(笑)」
『まだ足りな、』
言いながら、口を塞ぐ。
すごく近い距離で、目を合わせると、
『逃げられないって言ったろ。』
その目が
その口が。
私を捉えて離さない
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作者名：k | 作成日時：2020年9月14日 23時
