25.優しさの意味 ページ27
イルマside
なななななななんだ!?
さっきまであんなに興味なさそうだったのにどうして急に…!!
もももももし、、もしかしてもしかしてッ人間てバレた!!?
そのまま何も喋らない彼女に最悪の展開が頭を過ぎる。恐怖と動揺に支配され思わず目を強く瞑った。
「行くよ」
「…へ?」
間抜けな声を出した僕にはお構い無しでぐいっと引っ張られどこかに連れ出された。
うえぇっ!?と再び情けない声が出てしまったが僕の方には見向きもせずただ引っ張られる。今は一年以外が授業中なので、すれ違う人がいないのは幸いだ。
「…ああの、行くって、どこに?」
質問しても何も言わない彼女に疑問が湧いてくる。
強引に連れ出されたが、今僕の手を引いている力はほんのり優しい。
ふと視線を落とし、掴まれている手元を見た。
「!?」
いつの間にか、彼女の手に僕の鞄がある。
いつの間に?
急に手を掴まれて勢いのまま連れ出されたが、"危ない"という感じは全くしなかった。
いくつもの疑問が生まれる中、ようやく大きな扉の前で足を止めたようだ。
ここは一体どこなんだろう。
場所を確認するために彼女の背中から顔を覗かせて室名札を見上げた。
「えっ職員室?」
彼女は僕から手を離し、大きな扉をコンコンコンッと三回ノックしてガチャリとドアを開けた。
「失礼します」
躊躇のない動きに少し戸惑ったが、中から出てきたのは優しそうな雰囲気の先生だった。
「あれ?タツバちゃん、どうしたの?
……あっもしかしてカルエゴ先生に何か用事かな?担任だし」
「いえ、ピス先生に用があって…今いらっしゃいますか?」
この先生からは、彼女の後ろにいる僕が死角で見えていないようだ。
二人が話している中、興味本位で職員室の中をちらっと覗き見すると奥の方に居るカルエゴ先生と目が合ってしまい睨みつけられた。怖いです。
「そうですか。それでしたらブエル先生は?」
「丁度いらっしゃるよ」
彼女と話していた先生が職員室内に戻り、少しすると中からまた別の先生が顔を覗かせた。おそらく彼女の言った“ブエル先生”だろう。でも一体何で…
「どうしたタツバ」
「お忙しいところすみません。実は彼、左手を損傷している様なので診てやって頂けないでしょうか?」
「…ぁ」
それは自分でも忘れていたことだった。
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qcn3BbinP64p217(プロフ) - はわわ!コメントとリクエストありがとうございますぅ〜!!私も楽しんで頂き光栄です!ロビン先生いいですよね〜すごく。私も好きです。恋愛、頑張って挑戦してみますね!遠い道のりにはなると思いますが、今後ともよろしくお願いします! (2022年11月15日 19時) (レス) id: 99b06f7795 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちは!! 面白すぎる、、またロビン先生との絡みも見てみたいです!!(できれば恋愛で)すいません、、、後シュチュエーションとかは作者さんのお任せで、、 (2022年11月15日 17時) (レス) @page47 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
qcn3BbinP64p217(プロフ) - 猫さくらもちさん» コンメト、及びリクエストありがとうございます!男子組ですね?了解しました。どの部分で登場させようか悩んでいたので嬉しいです!初心者ではございますが、引き続きご声援の方よろしくお願いします。 (2022年7月21日 8時) (レス) id: 99b06f7795 (このIDを非表示/違反報告)
猫さくらもち - リクエストです!ジャズくんやリードくん、カムイくんなどの男子組と絡ませて欲しいです!これからも更新頑張ってください、応援してます! (2022年7月21日 7時) (レス) @page43 id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶漬けモドキ | 作成日時:2022年5月24日 23時