常磐の若魔【魔入りました！入間くん】

19.飛行レース開始 ページ21

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──学校裏 高台──

あの後、教室から出て向かったのはバビルスの裏にある高台だ。見通しがよく風がなびいている。

「前回の召喚試験とこの授業の結果で、貴様らの位階(ランク)を決定する。

内容は谷奥の旗までの競走だ。無数にそびえる巨大な岩山と、巣を守る怪鳥を避けて進め」

「はい！使い魔先生！鳥への攻撃はアリですかぁ？」

「構わん。殺しすぎは原点だがな。あと次使い魔先生と呼んだら殺す。
加えて今年は〈囀り谷〉のみをコースとする」

「なッ、待てい！〈金剪の谷〉も通過コースだろう！」

「あぁ、何故か金剪の長の気が立っていてな。今〈金剪〉は立ち入り禁止なのだ」

〈金剪の谷〉とは、〈囀り谷〉と比べて難易度の高いコースのことだ。しかしその分、スタートからゴールまでの飛距離が短く配点が高い。

「なっらっぬ、己は金剪にする！金剪でなければ意味が無いのだ！！」

「やかましい知るかッ！コースに変更はない。総員準備！」

「エギー先生は？」

「その呼び方やめろ。私は＿＿

後から追う」

先生が音を立て翼を出したのを合図に翼を出した。

「用意はいいな？では只今より、飛行試験(レース)を開始する！位置について、用意。

スタート！！」

皆一斉に飛び立った。私も飛び立ちゴールを目指す。

空を飛ぶのは好きだ。

前にも言った通り、“ザラキエル"とは自由を象徴としている悪魔である。

故に飛ぶことを好んでいるものが多い。

それは私も然りだ。
まあ、本当に飛行と自由が絡んでいるかは知らないが。悪魔で私の考察だ。

気がつけば随分と高い位置まで飛んでしまっていた。下を見下ろすとクラスメイトがかなり小さい。
少し遊びすぎたか。久々の飛行で気持ちが昂ってしまった。

強い風が吹いている中、そのままゴールにある旗を探す。

あっ、見つけた。

見つけるや否や、私はその場から急降下しゴールまで一直線に飛翔した。


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「ああー！Aゴール来た！！」

ゴールに着いて少し驚いた。ウァラク・クララが既にゴールしていたのだ。その奥には首席もいる。やっぱりもう居たか。1位取りたかった。

だがしかし、この子、随分と早くないか？

考えていることを察したのか説明をしてくれた。

「なんかねーアズアズの背中にいたらぁ、着いた！」

「…そう」

首席に少し同情した。

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