鎌二十五振り ページ31
貴方side
「…ん、朝か」
実体にまだ慣れていないのか早くに起きてしまった
仕方ないと思い布団から抜け出そうとすると隣で布団がゴソゴソと動いた
鶴「おはよう、A」
「嗚呼、おはよう鶴」
少し眠いのかまだ目を擦っており、髪の毛がピョンピョンとはねている
…いや、こいつの場合はいつもはねてるか
鶴と一緒に布団をたたみながらそんな事を考えていた
鶴「さて、布団をたたみ終わったことだか、俺は今から見回りをしてくる。Aはどうする?」
見回り、かぁ
「そうだな、早く起きてやることもなかったしついていっても良いか?」
そう聞くと鶴は嬉しそうに頷き、嗚呼!と言った
ーーーー
光忠達を起こさないようにそーっと出てきた二人は、昨日と同じ様に先ずは新撰組の部屋を目指していた
「いつもこんなことをしているのか?」
鶴「そうだな、たまに光忠達や三条のじいさん達と一緒だな」
この本丸の事情が事情だからな。毎朝みんなの顔を見ないと安心できないんだ
弱々しくそう呟いた鶴は、顔が悲しげだった
鶴「俺は太刀の中では比較的早く来た方でな。自意識過剰のようだが割りと強い方だと思うんだ。だからみんなを俺が守りたいんだ」
弱々しく言う鶴の言葉に、顔に、胸が苦しかった
「私は来たばかりだし、一番本丸の中では弱い。この本丸の事情も詳しい事はまだわからない。でもさ、今から強くなるし鶴と同等位まで成って見せる」
「鶴が背負ってるもの少しでも軽くしたいからさ、教えてよ、鶴の気持ちも、戦いかたも此処の事も。」
そう言って私は右手を差し出した
「んー、カッコよく言えば交換条件。貴方の重し、私が一緒に背負うし解決策を考える。だから貴方は私に色々な事を教えて欲しい」
鶴「…良いのか?A」
「何を今更。私は大歓迎だよ。利害は一致してるし、良いでしょ?」
鶴は躊躇いがちに手を出したが、決意したようにしっかりと手を握った
鶴「よろしくな、A。俺の教えは甘くないぞ」
「やってやろうじゃん、この約束をしたから隠し事は禁止だぞ、鶴」
この日、私と鶴は小さな、しかしお互いにとっては大きな契約を交わし、強くなることを誓った
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凛音 - 続きがめっちゃ気になります!頑張ってください! (1月3日 16時) (レス) @page37 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
鈴カステラ - コメントありがとうございます!確かに刀剣(?)なんですよ〜復帰したてですが、ガンガン更新していこうと思います! (2018年3月14日 15時) (レス) id: 5ab2dfeb7b (このIDを非表示/違反報告)
弥勒 - おぉ〜刀剣女子(笑)伊達組との再開やら色々展開が楽しみです。更新頑張ってください! (2018年3月14日 13時) (レス) id: 24182f5998 (このIDを非表示/違反報告)
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