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パーティーでのノアの婚約宣言後、事はとんとん拍子に進んでいき、私とノアは婚約者となった。
そして、旦那様と奥様の対応が今までとガラリと変わったのだ。
二人は私を嫌悪することなく、寧ろ今は実の娘であるイザベラよりも私を上に持ち上げようとする様になった。
ノアという隣国の王子と婚約したことによって、家庭内の地位は瞬く間に上がった。
この掌返しに私はこの人達にはプライドもクソもないのかと、益々嫌いになった。
そしてイザベラは私に強い強い嫌悪感を抱くようになって、部屋に引きこもっている。
そりゃ、自分が主役のパーティーだったのに主役の立場を取られちゃ良い気分はしないだろう。
この立場になった今、イザベラに復讐できる。
そう考えたが、私はそれをしないことにした。
それはイザベラと同じ様になる気がしたからだった。
しかし、今の彼女に同情する気はない。私もそんなに綺麗事が言えるような人間ではないから。
内心私は今のイザベラにスカッとしていたし、性格悪いかもしれないが
「幼少期あんな事してまで落とした私の地位が上がってきちゃって残念だったですね」
と思っていた。
家庭内での地位も元通り、婚約者ができて将来は安定…
……と、思っていたが最近おかしい。
実は婚約者であるノアが最近屋敷に訪れる頻度が落ちているのだ。
でも、それも気のせいだと思う。絶対そうだ。
気にしすぎだ。
寧ろ暇ができたのだから本が読めるじゃないか。
そう前向きに捉えて、図書室に向かい読みたい本を何冊か取り出して積み上げていく。
最近やっと自室が貰えて、其方の方は一日中いても何も言われないので本を持っていくことにしたのだ。
結構な冊数の本を持って廊下を歩くが、前が見えないため足元が少々ふらつく。
自室に行く途中には階段があって、そこも慎重に降りて行く。慎重に…慎重に…
と、思っていたはずなのに。
一つ段を踏み外した。
視界がグルンと一回転し、そのまま転がり落ちていく。下の階まで転がり切った私の意識は朦朧としていた。
全身が痛い。頭もくらくらするし、視界が霞む…
そしてそのままストン、と落ちるかのように意識が途切れた。
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「ちょっと、話聞いてた？」
『あ、ごめん。もっかい最初から聞いてええ？』
「Aが興味あるって言うから話してんのにぃ」
『ごめんって』
「ま、ウチが聞いてほしいってのもあるから許す！
んで、最近買ったゲームの話なんやけどさ…」
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作者名：うさぎ大福餅 | 作成日時：2021年5月9日 19時
