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「Dr.ナナシ。」
「あなたは私にとって一番大切な仲間です。」
真摯にナナシを見つけるアーミヤは「思い出しましたか?」と怯えた様子で聞いてくる。
その怯えはナナシが恐ろしい生物だからではなく、ナナシが自分たちを「思い出せない」「おかしなこと言わないでくれ」と拒絶されるかもしれないという少女のごく普通の怯えであった。
それを解ったうえでナナシはその言葉どう返そうと悩んだ。
思い出したか?と聞かれれば答えはno、思い出していない。
しかし、アーミヤのために何か気の利いた答えを返してあげたい。
「その話を信じろと?」「そうか……はじめまして、アーミヤ」とかだと傷つけてしまう。
気の利いた言葉が思いつかないまま、無言のままでいると。
彼女は少しだけ悲しい表情をした。
「分かっています。いきなりこんな事言われて信じられないですよね。」
「今すぐに思い出して欲しいとも、今すぐに信じて欲しいとも言いません。」
「とにかく、私にとってドクターは大切な人なんです。何がっても、それだけは変わりません。」
「だから、私に……少しだけ時間をください。」
「少しだけでいいですから……。」
何一つ嘘を付いていない真っ直ぐな目。
正直に言うと困った。アーミヤを疑っているわけではない、ただ、この無垢な少女にそれほどまでに信用される自分が名前しか覚えていない。
そんな自分が彼女のために何ができるのだろうか?
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菊春 - 二次元にトリップしたい人間 ほのほのさん» 返信が遅くなり申し訳ありません。アークナイツの小説少ないから作ったので嬉しいと言ってくれてありがたいです。更新頑張ります! (1月14日 13時) (レス) id: b382f7d8ff (このIDを非表示/違反報告)
二次元にトリップしたい人間 ほのほの(プロフ) - アークナイツの小説が少ないので本当に嬉しいです!これからも頑張ってください! (1月3日 12時) (レス) id: ca4f47683a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菊春 | 作成日時:2023年8月15日 15時