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柔らかくて澄んだ男性のような声が後ろから呼び止められるように聞こえてきた。そういえば気を失う前にも同じ声を聞いたっけ。確か小さく『こちらへおいで』って。

反射的に後ろを振り向くと先程まで無かった石版が姿を露にしていた

やめてよ本当にこういうミステリーホラー系は無理なんだって…

するとまた小さな銀の鈴の音色が脳内に響き始めた。今度はその音が心地よく感じ始めてこんなに怖い状況の中なのに耳を澄ませていた

しかし次の瞬間金縛りのように意図的に体を動かすことが出来なくなっていて足が勝手に石版の方へと歩き出していた



(えっ!何これ!?)



動け動けと自分の体に命令するがピクリとも動こうとしない。すると余計なことをしてしまったのか今度は自分の意識までぼんやりとしてきた

そして石版の目の前に足を止めて自分自身の口を開いた




満空ににほふ桜月夜

斑雪の下に花影添えればあやし。

鈴のおとなひほのききたれば光差し、

みちひらけ始まる時。

きれいなる天狐と

異の國の乙女いであひて幸来たり…。



読み終わった頃には意識がはっきりしたがもう既に時は遅かった。石版から不思議な白い光が発光しそのまま自らの身体ごと吸い込まれていった



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夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます!そんな前から見ていただいて嬉しいです!気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います!続き待ってます!楽しみです! (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年8月23日 16時

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